はばたきの会
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全体風景
全体風景

2021年度・第2回「絵本講師の会」全国合同交流会/2021年10月24日

 2021年度第2回「はばたきの会」交流会が2021年10月24日(日曜日)、秋晴れの日に開催されました。 

①野口明子
①野口明子

 野口明子さん(芦屋1期)の司会で、森ゆり子理事長のあいさつから始まりました。最初に午後に行われる予定のグループワークでは、初の試みとして『タブレットで絵本を読むことについて』と題して話し合う時間にすることが伝えられました。時代の流れの中で、私たち絵本講師が大切にしていることを、伝え続けていかなければならないことを確認できる時間になるだろうと感じました。また、「1期生から17期生までの絵本講師が集うはばたきの会では、ともに対等の立場で学びあえることが素晴らしい点です」というお言葉が印象的でした。

②森ゆり子
②森ゆり子
③谷村洋子
③谷村洋子
④吉本千代子
④吉本千代子

 38名の自己紹介と各支部の紹介の後、今回は午前中に2人の絵本講座がありました。最初は吉本千代子さん(芦屋3期)の講座で、3歳くらいまでのお子様を子育て中のお母さま方を対象にした『お母さんの声を子どもの心に届けてあげましょう~読み聞かせが育むもの~』と題した講座でした。多くの絵本講師が大切としている芯となる部分を優しい声で、わかりやすく伝えてくださいました。愛情を伝える言葉を生の声で子どもたちに伝える大切さ、そして「日常的な会話が減ってきている現代の子育て環境では、意識して会話をすることが大切です」という言葉に大きくうなずきながら聞いていました。次の講座は杉島健文さん(芦屋17期)。

⑤杉島健文
⑤杉島健文

『子育てに不慣れなパパから見た絵本』というタイトル。最初にタイトルを見た時から興味がわき楽しみにしていました。杉島さんは2歳8か月の男の子のお父さんであり、まさしく絵本の力を日々感じながら子育てをされている方でした。最初は積極的に子育てに参加する方ではなく受け身の子育てだったそうです。そんな時に奥様から「絵本を読んであげて」と言われて読み始めたのがきっかけとなり意識が徐々に変わり始めたのだとか。息子さんの反応の中から成長がうかがわれ、そこに親としての喜びを感じ、絵本を読んであげる楽しさが伝わってくる素敵な講座でした。

⑥宮崎智子
⑥宮崎智子

 昼食後は『特別支援学校での絵本を使った授業から』と題して宮崎智子さん(芦屋12期)と西村陽子さん(芦屋13期)が現場の状況から、子どもたちの発達を促す授業をするために絵本をどのように取り入れていたのか、そして絵本を使うことでどのような変化が実際に起こり、どのような力が育まれていったのかというお話を聞かせていただきました。30年以上もの長い間特別支援学校の教員をされていた宮崎さんの言葉には、一つ一つ経験に裏付けされた重みが感じられました。子どもたちとの信頼関係を築き各々の発達の実態を把握して、どのようにして子どもたちの注意を引くかに工夫を凝らす。子どもたちのできることで、それらしく参加できること、「子どもたち自身の”やってみよう”の気持ちを育てることが大切なんです。」という言葉が、とても心に残っています。そして西村さんの「絵本の読み聞かせを続けていた中で、子どもたちが変化していき、今まで気づかなかった絵本の良さを気づかせてもらえたことに感謝し、子どもたちの成長に立ち会うことは自分にも力を与えてくれるのだと実感しました」という言葉に強く共感しました。

⑦西村陽子
⑦西村陽子

 藤井勇市顧問の『時事放談』では、コロナ禍でのマスク着用やワクチン接種、PCR検査などの問題提起から、原発問題、消費税問題など、今どんな社会になっていてどんな未来を次世代の人々に手渡すことができるのか、絵本講師としても考えなければいけないとの言葉がありました。テレビや新聞、ネットで見聞きするものだけが正しいわけではなく、物事の一面だけを見るのではなく、見えない部分こそ自分から見ようとする努力と行動が必要なのだと感じました。

⑧藤井勇市
⑧藤井勇市

 グループワークでは6グループに分かれ、①タブレットでの絵本と、紙媒体での絵本の違い、②講座中にタブレットを使用しての絵本の読み聞かせをする方に、どのように声掛けをしていくかについて話し合いの時間がもたれ、発表しあいました。①では、タブレットではどの絵本であっても同じ大きさでしか見られないこと、それぞれの絵本の質感を伝えられない無機質なものであるため、五感への刺激が紙の絵本に比べて弱いこと。ブルーライトの刺激の問題があることなどが、共通の意見としてあがりました。しかしながら、時代の流れとしてタブレットでの絵本というものが登場してきた中で、一概にダメだと否定することはできないという意見もあり、現代の忙しい育児環境などにも配慮しながら、育児を担っている人たちに寄り添うことも必要だという声もありました。私のグループでは、若手の絵本作家が自分の絵本を発表する場として、SNSなどを活用しそれを足掛かりにしている場合があり、ネットが表現の場の一つになってきたことは、若い絵本作家の方々にとって可能性を広げる手段の一つになるのではないかという話もありました。②の議題に関しては、最初から否定的に見るのではなく、その良さも認め受け入れた上で、紙の絵本の良さや子どもたちの脳の発達過程に必要なもの、心を健やかに育むために私たち大人が何をすべきかを伝え、紙媒体の絵本も手に取って読んでもらえるように声掛けしていくことが大切だということ、そしてNPO法人「絵本で子育て」センターの講師として絵本講座をする場合には、紙媒体の絵本を使うことを前提としていることを伝えるなどの意見があがりました。

⑨池田加津子
⑨池田加津子

 最後は副会長の池田加津子さんから、「今回の交流会でもたくさんの学びがありメモもたくさん取りました。17期生の杉島さんのお父さんの立場での絵本講座をぜひ広めていってほしいです。」という言葉で締めくくられました。

 今回の交流会では4人の方の講座を聞くことができ、またグループワークでは皆さんと紙の絵本に対する熱い思いを共有することができて、学びの秋にふさわしい充実した時間を過ごすことができました。準備をしてくださった事務局の皆様をはじめ講座をしてくださった方々、そして交流会に参加されたすべての皆様に感謝いたします。素敵な時間をありがとうございました。また次の交流会でお会いできることを楽しみにしております。

(はねいし・のりこ)

報告者 羽石憲子
報告 羽石憲子(芦屋11期)

 

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