第16期(2019年度)「絵本講師・養成講座」Osaka#1

第16期 絵本講師・養成講座会場風景

大阪会場第1編  2019年4月20日

報告者 芦屋4期 熊懐 賀代

芦屋4期 熊懐 賀代

根っこのあることばで 子どもたちに語ろう

 第16期「絵本講師・養成講座」(大阪会場)が2019年4月20日、春らしい陽気に包まれた新大阪CIVI研修センターにて開講。早くから到着された受講生の期待と緊張感が徐々にお部屋に満ちての開講式となりました。

まず、NPO法人「絵本で子育て」センターの森ゆり子理事長より、「私の願いは全国どこでも街を歩けば絵本講師に当たる、というくらいに絵本講師の活躍が広がること。今日本の子ども達は大変な世の中で育っている、その中で絵本を仲立ちとして親と子が経験を同じくし思いを共有することの意味、素晴らしさを学び、どんどん伝えていってほしい」と挨拶がありました。

中村 史

 続いて絵本講師の中村史さん(芦屋6期生)より、思いを同じくする仲間とのグループワークや課題リポートに取り組む中で、自分が心から望むものは何かを見つけること、思いを言葉にする難しさやその大切さなど、学びへの思いふくらむ祝辞をいただきました。

大長 咲子

 当センター副理事長、絵本講師の会副会長の大長咲子さん(芦屋1期生)は、『はらぺこあおむし』(エリック・カール/作・絵、もりひさし/訳、偕成社)の「あおむしくん」がどんどん何でも食べてしまったように貪欲にバリバリと学んで、途中で、何かにぶつかってお腹が痛くなるようなことがあれば何でも相談してください、と受講生の皆さんを歓迎されました。

 最後に、詩人・エッセイストのアーサー・ビナード氏も駆けつけてくださり、絵本とは、子どもとのよい対話の道具であるだけでなく、心の奥にあるもっと大きなものにもふれるもの。今の社会の問題……政治、経済、哲学までも、それらはすべて子どもを抜きに解決しようとしても崩壊する、子どもたちと向き合うことで初めて本質的なものが見えてくる。絵本は本質を逃さない。皆さんも議論を重ね深めていっていください、と祝辞を述べられました。

藤井 勇市

 続いて藤井勇市専任講師より、本講座の学び方についてのオリエンテーション。この国で育つ子ども達を取り巻く現状や社会のあり方、家庭からことばがなくなっている! ということへの危機感から2004年に「絵本講師・養成講座」が生まれた。今よりもよい世の中にすることが先行世代の使命、とのお話に受講生の真剣なまなざしが集まりました。

アーサー・ビナード氏

 午後は、アーサー・ビナード氏による記念講演『知らなかった、ぼくらの日本語』です。 日本語との出合いに始まり、時に軽妙に時に力強く会場をも巻き込みながらのお話に引き込まれます。また『はらぺこあおむし』をはじめたくさんの絵本を紹介され、翻訳とは、原作の中に入り込んであらたに力のあることばで作り直すこと、それが原作と共鳴する。つきないお話からはお人柄と姿勢がつたわり、絵本もその他のものごとも、その中から本当に必要な子ども達に伝えたいものは何か。それを掘り下げていくと自分の根っこが見えてくる。根っこのあることばで語ろう、というメッセージが深く心に響きました。

  結びに最新作となる紙芝居『ちっちゃいこえ』(アーサー・ビナード/脚本、絵/丸木俊・丸木位里/「原爆の図」より、童心社)を披露くださり、第16期の開講に何よりのお祝いをいただきました。

 午後のグループワークでは、次第に熱心にことばを交わし笑顔でうなずきあう空気が広がり、スタッフにとっても新しい仲間と共に学ぶ1年がとても楽しみな開講となりました。 (くまだき・かよ)

会場風景

(大阪会場第1編 会場風景)