第20期「絵本講師・養成講座」東京会場

第20期「絵本講師・養成講座」東京会場第1編 2023年5月20日(土)

物語を疑う視点について学ぶ 報告 市川 洋美(東京8期)

 

 第20期「絵本講師・養成講座」東京会場の開講式が2023年5月20日(土)飯田橋レインボーホールにて開催されました。

勝村美幸
勝村美幸

 前日からの雨が残るあいにくのお天気でしたが、50余名の受講生を迎え、勝村美幸さん(東京5期)の司会で開講式が始まりました。

森 ゆり子

森 ゆり子

 最初に森ゆり子理事長より「20期という節目の年に出会った皆さんとのご縁を大切にしていきたい。私の願いは、絵本講師の方々がそれぞれの地域で、絵本と出会う楽しさを伝えてほしいということです。講座の回をおうごとに皆さんが生き生きしてくることを実感しています。素敵な1年間をともに過ごしていきましょう」との挨拶がありました。

山中 光江
山中 光江

 次に山中光江様(関東地区理事・東京2期)より「私もこの講座で、絵本が子どもたちのすこやかな育ちに役立つことに気がつきました。学ぶことを真剣に。ともに頑張りましょう」と祝辞を頂きました。

大西 徳子
大西 徳子

 続いて大西徳子様(芦屋6期)より「同じことを知っている仲間がいることは、とても大切なことです。たくさん話し合って絵本への理解を深めていってください。今日の出会いが素晴らしい始まりになることを願っています」と祝辞を頂きました。

後藤 修平氏

後藤 修平氏

最後に後藤修平様(株式会社童心社 社長)より「絵本に関する講座がたくさんある中で、よくぞこの講座を選んでくれました。私もここの修了生です。やってよかったと絶対に思ってもらえる講座です。応援しています」と祝辞を頂きました。

藤井 勇市
藤井 勇市

 開講式終了後に、藤井勇市専任講師より2004年に養成講座が発足した経緯についてお話があり、学びの姿勢として「無知とは知識、知性がないことをいうのではない。当たり前のことを知ろうとしないことが無知である」というむのたけじ氏の言葉を引用されて、学べば学ぶほど新たな疑問が出てくる。そういう学び方をしてほしいと激励されました。

 

アーサー・ビナード氏
アーサー・ビナード氏

 午後は、アーサー・ビナード氏の記念講演「これからの絵本『なんなんなん?』~詩人が語るLOVEの意味~」です。物語を疑う視点についてのお話で始まりました。南極物語のタロ、ジロの物語を例にあげて、題材は同じなのに、書き方次第で違う物語になってしまうことが示されました。

 講演のテーマとなっている『なんなんなん?』(マック・バーネット/文、カーソン・エリス/絵、アーサー・ビナード/訳、小学館)。それから『ぼくトリ』(イングリ・シャベール/作、グリディ/絵、アーサー・ビナード/訳、千倉書房)を読んでくださいました。どちらもLOVEがテーマとなっている絵本ですが、英語の「LOVE」は日本語の「愛」では表現しきれないほど言葉の意味の範囲が広いとのこと。とても哲学的な内容の絵本です。

 G7広島サミットやSDGsといった話題にも触れられ、大前提が間違えている可能性が大きいことを知っておくべきであるといったお話がありました。

 最後にご自身の第一詩集『釣り上げては』(思想社)から、「釣り上げては」を朗読されて講演が終わりました。

池田 加津子
池田 加津子

 自己紹介から始まったグループワークは楽しい雰囲気の中で行われ、再会を約束して終了しました。

市川 洋美
市川 洋美

(いちかわ・ひろみ)

 

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