私が絵本と真剣に向き合おうと思ったのは、息子がお腹の中にいる時です。学生時代には保育士や幼稚園教諭を目指して学んでいたので学習の一環として絵本に目を向けることもありましたが、私には課題の一つでしかありませんでした。
そんな私が絵本と向き合うきっかけは、出産のために仕事を休むこととなり毎日をどう過ごすか考えたからです。
そして、読み聞かせなら子どもが生まれる前からできると絵本を200冊ほどまとめて購入したのです。今思えばとても大胆なことだったのですが、この絵本たちが私たち親子の愛の架け橋となってくれました。
息子は妊娠中はもちろん、生まれてからも読み聞かせにとても反応してくれて、それが嬉しく毎日続けました。息子は今5歳。2歳の娘と夫と今では4人で絵本を読むのが日課となっています。ホットケーキを一緒に作るときには、何度も読んで覚えた『しろくまちゃんのほっとけーき』の真似をして「ぽたあん、どろどろ、ぴちぴちぴち……」というフレーズを歌います。
また、公園でブランコにのるときは「10まで数えたらお友だちに貸してあげるんだ」と絵本の真似をします。絵本は生活に欠かせない存在となっています。
そして何より絵本のある生活は、子どもたちに言葉では伝えられない愛情表現ができるのではないかと思っています。親子で過ごす大切な時間。絵本を架け橋にすることで、その時間はよりかけがえのないものとなるでしょう。
(きむら・ゆか)
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