2024年5月19日(日)飯田橋レインボービル
加藤 美帆
2024年度第1回「絵本講師の会」東京交流会が5月19日(日)、飯田橋レインボービルにて開催されました。関西から東北まで、各地より50名余りの絵本講師が集い加藤美帆さん(芦屋3期)の司会で開会されました。
森 ゆり子
まず森ゆり子理事長より挨拶がありました。「講座をするにあたり、聞いている人に後悔や反省の気持ちを抱かせるのでなく、いいお話を聞いたから自分もやってみよう、という希望をもっていただきたい」という合同交流会での中村史さん(芦屋6期)のお話を紹介されました。そして、絵本講師は何かを教える立場ではなく一緒に考えていこうという姿勢をもつことの大切さをお話されました。人に伝えるという本質的なことを考えて講座活動を行ってほしいと激励をいただきました。
池田 加津子
次に、池田加津子副会長(芦屋2期)より会則説明、そして参加者の自己紹介、それから支部紹介がありました。各支部の目的や活動内容について説明があり、勉強会だけでなく遠足に行ったり、音楽のイベントに参加したりしているとお話がありました。ある支部では、行政から支援金を得たものの集客が難しいとのお話があり、その課題はグループワークにおいても話題になりました。また、新しい支部立ち上げに向けて取り組まれているお話もありました。
舛谷 裕子
舛谷裕子さん(芦屋3期)からの「講座をする前に」のお話で印象的であったのは、初めての講座実演であってもそれを先方に話す必要はなく、一年間一所懸命頑張ってきたことから自信をもつこと、100万回実演してきたと思って取り組むようにとの励ましのお言葉でした。
大長 咲子
大長咲子副会長(芦屋1期)からは支部活動についてのお話しがありました。
藤井 勇市
午前中の最後は、藤井勇市顧問から「絵本講師の心構え」について。講演時に緊張するのは、聞いてくださっている方へ敬意がある証拠であること。また、上から教えるのではなく、違う考えであっても、一緒に考えましょう、との姿勢で行うことの大切さをお話されました。また、藤井先生の考え方と全く同じ考え方でなくとも、こういう考え方もあるんだということを頭の片隅においてもらい、何かあった時に本を読んでいただけたら、とのお話と、絵本講師は作品や読み方を知っているだけでなく社会の在り様を知っている者との意識を持ってほしいとのお言葉で結ばれました。
磯村 毅氏
午後は、磯村毅氏による[どう守る? デジタルネイティブの子どもの脳―絵本では守り切れない―]の講演でした。現実として、子どもたちによる家庭暴力の増加率や不登校者数の増加率と、スマホ所持率の増加率に大きな関係があること。家で子どもが何をして遊んでいるかが、子どもに最も大きな影響を与えること。音読や対面での対話等の活動が脳の隅々まで血液をいきわたらせる一方で、オンラインだとチャットでさえも脳が活性化していないこと。そしてなぜオンラインだと前頭葉を活性化させないのか、といったお話は大変興味深いものでした。そして、ネット依存患者がスクリーン時間をなくしたことで依存症を改善した例をあげられ、ネット依存は、コカイン依存と同じで、脳繊維に損傷を与えていること。デバイスごとに毒性の強さが異なること。また、絵本講師の活動を行う上で大変貴重であったお話は、ネット等の強い刺激に慣れていると弱い刺激で満たされなくなってしまい、その状況を回復してからでないと、絵本を読んであげても満足しないというお話でした。子どもだけでなく、親のスマホの扱いにも注意喚起がありました。スマホを見ながら子守をすることが、どれほど子どもの成長においてもったいないことをしているか、というお話も是非今後の絵本講座に取り入れていきたい内容でした。
「子どもはもともと遊びの天才であり、自分で面白いものを見つけて楽しむ力を持っている。それを奪ってしまっているのはスマホである。ネット依存である子も、三日間ほど取り上げて放っておき、脳の状態をよくしたら、好きな遊びをみつけるようになる。そこで絵本などで子どもの力をのばしていくこと」「私たちは無力ではない。知識とネットワークがあれば、身近な子どもを守れる」という最後のお言葉には励ましと希望をいただき、絵本講師としての今後の活動内容を考えさせられる講演となりました。その後の質問の時間でも多くの質問があがり、本テーマにおいて絵本講師たちの関心の強さが伺えました。
池田 加津子
講演後のグループワークでは、これから活動を始めたいという方々からの質問に先輩たちが応えたり、情報交換したり、積極的な交流が行われ、最後に池田加津子副会長からの挨拶にて、交流会が締めくくられました。今後の絵本講師活動を後押しする学びの多い交流会でした。
第1回 絵本講師の会(はばたきの会)東京交流会交流会リポート (しばた・ちほ)
〒659-0067 芦屋市茶屋之町2-21-405
TEL 0797-38-7516
FAX 0797-38-7939