2025年4月19(土)
第22期「絵本講師・養成講座」大阪会場が2025年4月19日(土)、CIVI研修センター新大阪東にて開講されました。
春の日差しが心地よい会場に、第22期42名の受講生をお迎えし、後藤純子さん(芦屋4期)の司会で開講式が始まりました。
はじめに森ゆり子理事長より「私の願いは全国どこでも街を歩けば絵本講師に会えるというくらい絵本講師の活動が広がることです。絵本講師が2300人になりました。TV、ビデオ、ゲーム、スマホで子どもたちを取りまく状況は人体実験されているようです。今こそ絵本で子育てをする方法があることを、絵本講師が伝えていくことが求められています」と挨拶されました。
次に加藤美帆理事(芦屋3期)より「絵本講師として20年、絵本で子育てを楽しんで母として20年過ごしてきました。知りたいこと、わかりたいことが養成講座で学べます」と祝辞がありました。
続いて根本裕子様(芦屋17期生)より「絵本は大人と子どもをつなぐ大切なツールです。修了時には両手に宝物をいっぱい持ってらっしゃいます」と祝辞をいただきました。
続いて松浦美恵様(一般社団法人ママズケア宝塚院所長)より「妊娠7ヶ月で聴覚が完成します。おなかの赤ちゃんに絵本の読み聞かせをして声掛けを大切にしてください」と祝辞を頂きました。
最後に、天野光子様(どんぐり文庫主催)からのご祝辞です。ご夫妻が1975年から自宅で始められた私設図書館(どんぐり文庫)は、今は、お孫さんと運営しておられるそうです。文庫に来られる方たちの楽しいお話もお聞きしました。
次に藤井勇市顧問より「絵本講座の学び方」について「家庭に言葉がなくなり、リアルな人間関係を築けなくなってきています。スマホを捨てて、家族と語ろう。ついでに絵本も読もう。
等価交換で学ぶと学びは成立しない。楽しく面白く豊かな学びをしてください」と話されました。
アーサー・ビナード氏
午後はアーサー・ビナード氏の記念講演でした。演題は、「やばい」絵本と「正しい」絵本の見分け方です。
オノマトペ(擬音語、擬態語、擬声語)について、日本語は3種類の文字を混ぜて成り立ち
沢山の音がある。人間はどうやって言葉を作るのか? 残る言葉は、身体とつながっている。
翻訳は直訳ではダメです。と話されました。
『えをかくかくかく』(エリック・カール/作、アーサー・ビナード/訳、偕成社)の題名の件では、編集者が「かくかくかく」でいいのかとエリック・カール氏に問い合わせたところ「ぜひ一番いい日本語にしてください」と返答された素敵なお話が聞けました。そして原題が『NON STOP』を[やばっ!]と翻訳された『やばっ!』(トミー・ウンゲラー/さく、アーサー・ビナード/やく、好学社)を読んでくださいました。グループワークで『やばっ!』という言葉の題名の絵本を書店で見たら選ばないと思います。読んでいただいて、本当にやばいことはこういうことだとわかりました。と感想がありました。本の扉に《これからやって来る世界と向き合わざるを得ない孫たちへこの絵本をおくる。》と書かれています。
アーサー・ビナード氏は最後に「言葉は一人ひとりの身体の中で変化している。同じ作品でも未発見のことがいっぱいある。発見するような読書が一番おもしろい」と講演されました。
大長咲子副理事長(芦屋1期)の当講座の学び方の説明の後のグループワークは、お話も弾み落ち着いた雰囲気の中で第一編を終えました。(おおにし・のりこ)