2024年9月21日(土)
第21期「絵本講師・養成講座」東京会場第3編が2024年9月21日(土)、夏の暑さが残る飯田橋レインボーホールにおいて開催されました。
大久保広子さん(東京5期)の爽やかな司会で第3編が始まりました。
午前の部は、飫肥糺氏の「絵本から、しみじみと感じること、教えられること、いくつか……。」と題したご講演です。飫肥先生のお話は、この日の朝偶然電車で隣り合わせた女性との会話から始まり、ご自身が幼少期を過ごされた戦後間もない宮崎・日南市での思い出、昨今の中学受験事情、公園で子どもたちがいきいきと遊ぶ様子を目にするのがうれしいなどと話されました。そして、話題は『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』『ちいさいおうち』『森のおはなし』『はだかの王さま』『平和って、どんなこと?』等の絵本へ。それぞれの絵本が描かれた時代の背景や作者が絵本に込めた思いに触れながら、さらに地球温暖化、SDGs、日本の政治についてなど私たちの生きる現代社会が抱える問題を提起してくださり、改めて考えるきっかけをいただきました。戦争を防ぐためには、「対話」をし続けること、理解できない相手であってもリスペクトすることが大事であるとのお言葉をしっかりと胸に刻みたいと思いました。
午後の部は、「でんしゃにのってももんちゃんがやってくる―自作を語る―」と題した絵本作家とよたかずひこ氏のご講演です。『はい、タッチ』(紙芝居)を皮切りにたくさんの絵本、紙芝居を実演しながら絵本を作ることになったきっかけや、作品の誕生秘話をお話してくださいました。〝おっちゃん野球〟での30年に渡る少年たちとの交流やその中の一人の少年との偶然の再会から『はい、タッチ』が生まれたというエピソードにとよた先生のお人柄を感じ、会場に温かな空気が広がるのを感じました。
「ももんちゃん」シリーズをはじめ数え切れないほどたくさんの絵本を世に生み出しているとよた先生、ご講演の中で子どもたちを〝ちいさい人〟と呼び、「絵本の対価に見合う、何度もくり返し読んでもらえる作品を作るのが宿題」というお言葉が心に残りました。とよた先生の読み聞かせも堪能させていただき、「読んでもらう」楽しさと心地良さを味わった時間でした。
その後、池田加津子理事(芦屋2期)から「絵本講師・養成講座」の学び方についてのお話がありました。絵本講師と読み聞かせボランティアとの違い、絵本講師は相手に寄り添い共に学んでいく姿勢が大切であること、受け身でなく自ら調べることも学びのひとつであること、著作権についての注意点などを話されました。
続いてのグループワークでは、飫肥先生ととよた先生の講演の感想を中心に活発な意見交換が行われました。受講生の皆さんの絵本講師への熱い想いが伝わってきて、私自身も受講生の皆さんに負けないよう学びを深めていきたいと感じました。(おか・みさお)
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