20期 大阪会場第1編


2023年4月22日(土)

文字があるおかげ

加藤美帆
加藤美帆

 第20期「絵本講師・養成講座」大阪会場の開講式が2023年4月22日(土)、CIVI研修センター新大阪東にて開講されました。

 春の日差しが心地よい会場に、50名の受講生をお迎えし、加藤美帆さん(芦屋3期)の司会で開講式が始まりました。

森ゆり子
森ゆり子

 はじめに森ゆり子理事長より「19期を終えたところで絵本講師は2090名となりました。私の願いは街を歩けば絵本講師に会えるというくらい絵本講師の方々が全国各地で活動してくださることです。この人に会ってよかった、この人のお話を聞いてよかった、と思っていただけるような絵本講師になれるように共に学んでいきましょう」と挨拶されました。

大長咲子
大長咲子

 次に大長咲子副理事長(芦屋1期)より「今から何が始まるのか、何を学べるのかなと楽しみながら学んでいってほしい。『はらぺこあおむし』(偕成社)のあおむしになって貪欲に学んで食べて、消化不良になった時はまわりに相談し、一年後には大きな美しいちょうちょになってください」と祝辞がありました。

野口明子
野口明子

 続いて、野口明子様(音楽と絵本 studioゆうひが丘 主宰)より「音楽教室の中で、生徒といろんな言葉を使うということを、音楽表現に使っています。情報交換や意見をシェアして、楽しんで今日からスタートしてください」と祝辞を頂きました。

南田理恵
南田理恵

 最後は、南田理恵様(一般社団法人ママズケア代表理事)です。「母乳率が減って、夜中に赤ちゃんのケアをしない夜間断乳が、増えています。絵本で、心のアタッチメントを広めていただきたい」と祝辞を頂きました。

ふじい ゆういち
ふじい ゆういち

 開講式終了後に、藤井勇市専任講師より「講座の学び方」について、養成講座の2004年発足の経緯について話され、等価交換の考え方で学ぶと深まっていかない。学べば学ぶ程自分の前に疑問が出てくる、そういう学び方をしてほしい。絵本にはどんな力があり、可能性があるか、絵本のステキを訪ねる旅がはじまります、と話されました。

アーサー・ビナード
アーサー・ビナード

 午後は、アーサー・ビナード氏の記念講演「これからの絵本『なんなんなん?』~詩人

が語るLOVEの意味~」と題してお話くださいました。『なんなんなん?』(マック・バーネット/文、カーソン・エリス/絵、アーサー・ビナード/訳、小学館)、『ぼくトリ』(イングリ・シャベール/作、グリディ/絵、アーサー・ビナード/訳、千倉書房)を読んでくださいました。

 答えが欲しい時に答えを出さない。答えが何かのときに湧いてきてそこから発展が生まれてくる。

 『さがしています』(アーサー・ビナード/作、岡倉 禎志/写真、童心社)では、文字があるおかげで今ここにいない人とつながることができる。先人とつながるために国語がある。高校教科書の「現代国語」が「現代の国語」になり、小説、物語が省かれている。今の時代において役に立つものだけを勉強する。国語を大切に、と講演されました。

 アーサー・ビナード氏の講演の余韻を残しながら、自己紹介から始まったグループワークは初対面とは思えないほどお話も弾み、落ち着いた雰囲気の中で第1編を終えました。

(おおにし・のりこ)

大西徳子
大西徳子