2023年1月21日(土)
第19期「絵本講師・養成講座」東京会場 第5編が、2023年1月21日(土)飯田橋レインボーホールにおいて開催されました。
司会は勝村美幸さん(東京5期)です。
午前の部は、「絵本で子育て」と題した森ゆり子理事長による保育所の保護者に向けた絵本講座です。実際の絵本の読み聞かせを通して、絵本の中で何度もくり返される「大好き」という温かな言葉の体験が「自分はずっと見守ってもらえる存在である」という安心感に繋がり、自尊感情や自己肯定感が育っていくのだと話されました。
『子どもに愛を伝える5つの方法』(田上時子+エリザベス・クレアリー/著)から、愛を伝える方法には①言葉で伝える②スキンシップ③時間の共有④ささやかなプレゼント⑤願いを叶える、の5つがあり「絵本を読む」行為には全てが含まれているのではないか。絵本は片手間では読めない、子どもにとって自分のためだけの時間。読むことは愛を伝えることに他ならない。絵本を読みながら愛を伝えてほしい。愛を伝える絵本は大人の目でしっかり吟味して欲しいと語られました。
さらに、絵本や物語の中でワクワク・ドキドキ・ハラハラといったいろいろな感情体験を経験し心の基礎体力を付けてほしいと話されました。最後は『さっちゃんのまほうのて』(偕成社)を紹介されました。皆さん、理事長の声にじっと耳を傾けていました。受講生の皆さんにとって、ご自身の心が揺さぶられる時間だったと思います。会場が温かな空気で満たされるのを感じました。
午後は、川崎医科大学名誉教授の片岡直樹先生の「テレビ・ビデオ・スマホが子どもの心を破壊している」と題したご講演です。片岡先生は、ご自身の幼少期を振り返りながら、子どもの育ちに大切なことをお話してくださいました。赤ちゃんはみな生れた時は白紙であり、模倣とスキンシップによって育つ。大事なのは体験であり、「勤労体験」(手伝い)「挫折・困難体験」(失敗)「欠乏体験」(がまん)が特に大事。失敗体験が多いほど子どもは育つ、と話されました。早くから電子メディアに触れることは、脳の理論を司る前頭前野の働きを阻害してしまう。1歳前後にスマホを与えてしまうと五感が育たなくなってしまう。何よりも身体を動かして五感を育てることが大切であると力説されました。後半では、片岡先生が関わったお子さんが、テレビやビデオの視聴をやめたことにより言葉の遅れが改善された例を紹介していただきました。絵本講座の中で、電子メディアとの上手な付き合い方や絵本の役割を伝えていく必要性を再認識した片岡先生のご講演でした。
池田加津子理事(芦屋1期)から、第4編での質問に関しての回答や、最終課題リポート等についての説明があり、グループワークへと移りました。これから取り組む最終リポートや今日の講演の感想を中心にそれぞれのグループで活発な意見の交換が行われました。
次回はいよいよ閉講式を迎えます。受講生の皆さんの晴れやかな笑顔とお会いできるのを楽しみにしています。
(おか・みさお)
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