2022年9月17日(土)
第19期「絵本講師・養成講座」東京会場第3編が2022年9月17日(土)、飯田橋レインボービルで開催されました。勝村美幸さん(東京5期)の司会で講座が始まりました。
飫肥糺先生の講演は、「絵本は、平和を戦争をどのように描いているか『平和』の視点から。」という演題でした。戦争や、憲法、平和についての絵本をもとに、私たちが、今何をするべきなのか、どのように考えたらよいのか、子どもたちにどのように接したらいいのかというヒントをたくさんお話してくださいました。
外国では、小学生から法律、宗教、金融など学ぶけれども、日本は勉強しない。平和について考えるには、憲法もきちんと学習しようということで、『「けんぽう」のおはなし』(井上ひさし/原案、武田美穂/絵、講談社)を紹介されました。井上ひさしさんが、小学生にむけて語ったものを絵本にしたそうです。
先入観が平和をこわすという先生の言葉がとても印象に残りました。この国はこうだ、あの国はこうだ、と親から子へと受け継がれていってしまう先入観。腹をわって話し合えば、通じ合うことができるのではないかということで、『火星にいった3人の宇宙飛行士』 (U・エーコ/さく、E・カルミ/え、海都洋子/やく、六耀社)を紹介してくださいました。
『平和って、どんなこと?』(W・エドワ-ズ/さく、おびただす/やく、六耀社)の絵本を読みながら、平和って何かを一緒に考え続ける、問いかけて自問しながら考えることが大切というお話がありました。「平和ってなんだろうか? 自分だけ平和だったらよいのか?」という先生の問いかけが胸にささりました。子どもと一緒に考えていきたいと思いました。
とよたかずひこさんは、「でんしゃにのってももんちゃんがやってくる―自作を語るー」と題した講演でした。紙芝居を実際に読んで、紙芝居と絵本の違いをお話してくださいました。
紙芝居では、子どもの年齢の1歳差によって、紙芝居が楽しめるか楽しめないかが違ってくる。『にょろにょろり』(とよたかずひこ/脚本・絵、童心社)では、実際に読んだときの2歳児の反応、3,4歳児の反応、年長さんの反応はそれぞれ全然違うそうです。
進学校の中学生に授業をしたときには、生徒たちが読み聞かせに入り込んで楽しんでくれたお話。子どもとの触れ合いによって作品が生まれたお話。とよたさんが作品を作るうえで大事にしていること、そしてこれからどういう絵本を作っていきたいか、というお話をしてくださいました。
子どもから「もういっかい」という言葉がでるかどうかを、絵本を作るうえで大切にされているというお話がとても印象に残りました。
その後、池田加津子理事(芦屋2期)から、集団での読み聞かせや、絵本講座をするとき、SNSなどに投稿するときの注意点、著作権についてのお話がありました。
グループワークでは、戦争の絵本を子どもに読むタイミングや、どんな絵本がよいかなどの意見交換で盛り上がっていました。きちんと学び絵本講師になって、子育てをしている方たちに伝えていきたいというみなさんの意欲に、私も負けずに学び続けていこうと感じた一日でした。
(なかた・ともこ)
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