2022年5月28日(土)
第19期「絵本講師・養成講座」東京会場 第1編が2022年5月28日(土)、飯田橋レインボービルにて開講されました。緑の輝き増す初夏、会場には50名の受講生をお迎えし、勝村美幸さん(東京5期)の清々しい司会で開講式が始まりました。
初めに、理事長 森ゆり子より祝辞がありました。「私の願いは“街を歩けば絵本講師にあたる”というくらいに絵本講師の活動が広がることです。たくさんの受講生をお迎えし、大変嬉しく思います」と述べられました。高校生への絵本講座で戦争についての絵本を紹介した際の<自分で判断することの大切さを絵本から学んだ>という感想を紹介され「改めて絵本の力を実感しました。絵本について学び、自分自身で考えられる人になりましょう」と激励されました。
続いて篠原紀子(東京12期)が「世界は困難に満ちていますが、志を同じくする皆さまと共に今日から歩めることを心強く思います」と挨拶し、最後に『絵本 かがやけ・詩 いきることば どっさりのぼく』(小池昌代/編、太田大八/画、あかね書房)より高階杞一の詩「準備」を引用、お祝いの言葉としました。
次は池田加津子理事(芦屋2期)による祝辞です。優しい笑顔で受講生に話しかけられ、緊張した心もほぐれます。いつも新しい気持ちで絵本と向き合い、絵本講師として活動することの喜びをお話しくださり「共に学びましょう」と、受講生の皆さまにお声をかけられました。私も励まされる思いでした。
続いて株式会社 童心社 代表取締役 後藤修平様より祝辞を賜りました。修了生でもいらっしゃる後藤様、「数ある絵本講座の中からこの講座を選ばれた皆さん、素晴らしい選択です」とご自身の受講経験を交えた楽しいお話を聞かせてくださいました。大人になってからでも新たな学びを大切にしようと心に刻みました。
次は藤井勇市専任講師より「絵本講座の学び方」について。講座を立ち上げた当時、家庭から言葉が失われつつあることへの危機感を感じられたとのこと。家庭で絵本を読むことで、「人と人とのつながりを取り戻せるのではないか」との思いで開講した、と語られました。講座に臨むための指針(考え方)をお話しされ、会場の全員が気持ちを新たにしました。
午後はアーサー・ビナード氏による記念講演「イソップとクラムボンが語り合うところ」。淀みない語りに引き込まれます。イソップの物語は無駄がなく、人間の本質を捉えているとアーサー氏。絵本には普遍的な本質が描かれており、どの時代にも合う矛盾を孕んでいるという言葉にハッとしました。『やまなし』(宮沢賢治/文、アーサー・ビナード/英訳、山村浩二/絵、今人舎)では「クラムボン」という言葉を英語で造語。「クラムボン」は世界を探るための装置と伺い、私も絵本を介して世界を探ろうとしていることに気づきました。
グループワークの輪は受講生の皆さまの活発で朗らかな声に溢れ、これからの絵本講師の活動に希望を持てる嬉しい一日となりました。
(しのはら・のりこ)
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