2022年12月17日(土)
第19期「絵本講師・養成講座」大阪会場 第5編が気象予報通りにぐんと冷え込んだ12月17日(土)、CIVI研修センター新大阪東において開催されました。受付でお迎えしておりますと、受講生の皆さまの「おはようございます」の笑顔から、今日の学びへの期待が伝わります。
開講にあたり、加藤美帆(芦屋3期)さんより、当「絵本講師・養成講座」の開講当初よりご支援くださった松居直先生が先月ご逝去されたことが伝えられ、一同改めてご冥福をお祈りいたしました。
午前中は、「絵本で子育て・絵本を読んであげましょう」と題して、森ゆり子理事長の絵本講座実演です。受講生は保育園の保護者という設定です。まず絵本を読んでもらう体験から、暖かな声に包まれ、ぐっとお話に引き込まれていきます。「親は誰もが子どもを思い幸せを願っている。でもその愛情が子どもにちゃんと伝わっているかどうかがとても大切。一緒に絵本を読むということは、愛を伝えること。そして心を揺さぶってあげて、いろいろな感情体験をすることが心を育むということ」。理事長の熱意や相手を思う気持ちが生の声にのせられて届く、その力を実感しました。語られる言葉が私の心の中に染み込んでいきました。
午後の講師は、川崎医科大学名誉教授で小児科医の片岡直樹先生です。「テレビ・ビデオ・スマホが子どもの心を破壊している」と題してご講演いただきました。先生ご自身の子ども時代を振り返って、玩具やゲームなどの物はなくても、かいこから絹糸を引き出しその糸で川ではやを釣ったことなど自然の中で遊んだことを懐かしくお話されて「ゆたかな子ども時代だった」と仰られたことがとても印象的でした。また、0,1,2歳の子どもたちは、非常に手がかかりお母さんを困らせる。でもこのことが大事。わずか3年ほど、あとは見向きもしない。この時期に子どもが自発的にすることは、自分で育つために必要なことを五感を使ってしているのだから、何とか止めさせるよりは見守り関わってあげればよい。テレビ、スマホをやめて手指や体を動かして遊んだり絵本を読んだり、五感を使ってアナログに遊ぶことが子どもを知的に育て、その中でのコミュニケーションが心とことばを育む、とのお話に、あらためて子どもにとって大切なことは何かを考える時間になりました。
続いて、大長咲子副理事長(芦屋1期)より、学び方についてお話がありました。受講生の皆さんが送ってくださる素敵なリポートを毎回大切に読ませてもらっていますが、いよいよ最終リポートです。教えるのではなく聞いてくださる方の心に寄り添うという姿勢で、中心論点をしっかり持って伝えたいことをまとめていってください。一生懸命取り組まれたリポートは、きっと宝物になると思います、と激励されました。
グループワークでは、受講生の皆さんから最終リポートについての熱心な質問が多数ありました。最後に、加藤さんより次回修了式と記念講演、懇親会の連絡がありました。いよいよ一年間の学びの総まとめです。お正月休みを挟んで、受講生の皆さまそれぞれにご自身の講座では「誰に、何をお伝えしたいか」きっとたくさん悩んで考えて、そして素晴らしいリポートが事務局に届くことと思います。修了式の日に、お元気でお会いすることを楽しみにしております。
私も新年を迎えるにあたり絵本講師として「自分の伝えたいこと」を考え自分の心と向かい合っていきたいと思います。
(くまだき・かよ)
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