2022年06月18日(土)
第19期「絵本講師・養成講座」大阪会場 第2編が、2022年6月18日(土)、CIVI研修センター新大阪東において開催されました。新型コロナウイルス感染症防止対策を講じた上で受講生を迎え、加藤美帆さん(芦屋3期)の司会で始まりました。
午前の部は松居直先生のご講演「絵本のよろこび」をDVDで視聴しました。20世紀は「お金とモノ」の時代だったが、お金とモノには「命」がない、これからは子どもたちに「命」とは何かを実感できる語りかけが必要であるということからお話は始まりました。「命」を実感できる最初の語りかけは赤ちゃんの時に親が歌ってくれる子守歌であり、わらべ歌で、その言葉には、親の気持ちや愛情が込められていて、覚えていないようでも自分の中にたくわえられ、きっかけがあれば意識せず口にすることができ、自分の思いを伝えることができるとのことでした。そして、親が絵本を読んでくれることで、子どもはその言葉を、喜びをもって受け入れ、一言半句間違えずに言えたり、読んでくれた人のことをずっと覚えていたりするのだということをお話されました。
午後の部は吉井康文氏のご講演「絵本の絵を読む魅力と大切さ」でした。子どもにとって、「絵本は読んでもらうものであり、大人が読んでくれる言葉を聞きながら、子どもは絵を読んでいるのである」というお話の後、『アンガスとあひる』(マージョリー・フラック/作・絵、瀬田貞二/訳、福音館書店)を紹介され、この絵本は三幕構成で「行きて帰りし物語」になっていること、絵から受けるスピード感がアンガスとあひるの気持ちを表現していることを説明されました。他にもアメリカで1920年代から1930年代に出版された絵本を紹介され、それぞれの絵本の絵がどのような工夫によって読み手を絵本の世界に引き込んでいるのか解説されました。日本の安野光雅、馬場のぼる、林明子の絵本も紹介され、絵を読む子どもの視点を解説してくださいました。
続いて、「絵本講師・養成講座」の学び方では、大長咲子副理事長(芦屋1期)が家庭に言葉を取り戻すために、絵本で子育てをすることの大切さを伝えるのが絵本講師である、と話されました。その後、グループワークに移り、受講生一人ひとりが『いない いない ばあ』(松谷みよ子/ぶん、瀬川康男/え、童心社)の読み聞かせをしました。様々な声のトーンの読み聞かせが各グループから聞こえてくるようになると、聞き手の皆さんの表情がリラックスするのが分かりました。「読んでもらうとこんなに楽しいことが分かった」「新鮮だった」と発言がありました。お互いの読み聞かせを通して、言葉とともに読み手の気持ちが伝わることを実感できたのではないかと思います。
言葉にはその人の気持ちを伝える力がある、自分の発する言葉には自分の気持ちやこれまでの経験がすでに含まれているのだ、ということを再認識した一日となりました。
(ごとう・じゅんこ)
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