NPO法人「絵本で子育て」センター®、及びほるぷフォーラムでは、2004年より「絵本講師・養成講座」をスタートさせております。
これは、「子育てをするにあたり、いかに絵本の読み聞かせが必要かを学び、それを語り伝えることができる人材」を育成するための講座です。
受講者はここで、絵本と子育てに関する知識を深め、実際に自分で絵本講座や講演を開くための実践的なノウハウを学ぶことになります。
こうした絵本における草の根活動(幅広い意味での啓蒙活動)を、自発的に行ってみたいと考える人々が静かに増えています。これは、少子化、核家族化、メディアの発達などに伴い、社会がいびつとも言える変化を起こしているなか、現代では「子育て」という行為自体が大変むずかしくなっているためです。
その一方、子育てに際して、絵本の読み聞かせが自分の助けとなり、家族をつなぎ、人格形成にも有意義であったという原体験を有する人々もまた、数多く存在しています。
このような人々には、こうした知識が充分にあり、現に子育てに悩んでいる人々にそれを伝え、役立ててほしいと心から願っています。
しかしながら、それを具体的に伝えるすべや、技能を持っていないのが現状です。 昨今、ようやく育児における絵本の必要性が広く認知されつつあり、読み聞かせの活動に取り組む地域のサークルや、集まりが増えてきています。
しかし、こうした現場からも、「そもそもなぜ絵本が必要とされるのか? その本来的な意義は何か?」、「絵本と子育ての関係性について、もっと体系的に学び伝えたい」という声が上がっています。 これらの要請に応える目的で、「絵本講師・養成講座」が開講、運営されています。
「絵本講師・養成講座」は、単に一般的なカルチャースクールのように、ある学問や技術を習得し、それで終わるというもので はありません。
そもそも、この絵本講座で学ぼうとする最も深い動機は、受講者自身が生活しておられる地域や、身の回りの小さなコミュニティへの「自ら得た 知識・技能の還元」にあります。
したがって、課程を修了した後も、受講者は本来の動機である「社会的還元」をし、自己実現をするための方法をさらに追求さ れるであろうと予想しております。
したがって、NPO法人「絵本で子育て」センター®では、本課程修了後も人材育成を継続して行うべく、希望者を「絵本講座講師」として会員登録していただき、受講後も会員による絵本活動への支援を行いたいと考えています。
受講後も「絵本講師」としての知識・技能をより深めた各地の会員によって、絵本や子育てに関する社会的啓蒙活動が、より広く活発に行われていくことが私 共の願いであります。
全国の各地域で行われるこの静かな文化の継承運動は、子育ての当事者や教育者からも、必ずや深い理解をもって迎えられることと信じて おります。
子育てに役立つ知識を伝え、「社会的役割を果たしたい」「絵本講座を開くための知識や経験はどうすれば得られるのか」を学ぶ
絵本で子育てをする活動の普及、読書推進に興味があり、受講開始当該年の4月1日時点で満18歳以上の方
・大阪会場 4月開始〜翌年2月までの偶数月
・東京会場 5月開始〜翌年3月までの奇数月
・大阪会場 CIVI研修センター新大阪東
・東京会場 飯田橋レインボービル
午前10時30分〜午後4時
※30分程度の前後有り
スクーリングと講座リポート併用して受講。
全スクーリングへの出席および全課題リポートへの提出。
*やむをえず欠席の場合はDVD(有償貸与)による受講が可能。
課題リポートは5編の受講講座とテキストを参考に作成し提出。(全5回)*提出期限厳守
・修了者には修了証書を授与
・取得資格は「絵本講師」は民間資格
・修了後の講師活動は各自でお願いしています。斡旋行なっていません。
・希望者は「絵本講師の会(はばたきの会)」に入 会し、「絵本講師」として登録することで、修了後も会員相互による絵本活動への各種支援を受けることが可能。
梅田 俊作
(絵本作家・画家・「養成講座」講師)
海、山、川や、辺境の地の分校、田んぼのなかの幼稚園で、子供らとの遊び三昧の日々のなか、いまさらながらに得心する。子供時代の自由で豊かな遊びが、強く生きる力の源と。彼らは実体験を絵本の世界で繰り返し咀嚼して、五体に深くしみこませていく。
管理された人と比べられ孤立しがちな窮屈な現在、「開かれた次世代へ、バトンタッチを私たちの手で」と思いを共にする講座での出会い。
終了後も続く絵本講師たちの固いつながりがなんとも頼もしい。
故 むの たけじ
(ジャーナリスト)
私はいま百歳ですが、九十七歳の時に「絵本で子育て」センターから講習会で仕事を頼まれて引き受けた。それが自己反省の切っ掛けとなった。それまでの私は、幼児をいわば「赤ちゃん、かわいい、めんこい、大切に育てなくては」という態度に傾いていた。とんでもありませんな。 乳幼児期は一生の土台、その出発だ。まともに充実させないと一生がダメになる。この大事な時期に世の大人たちは子守歌で「坊やは良い子だ、ねんねしな」とか、「眠れ よい子よ」と眠らせたがる。とんでもない。子らは母の体内で喜怒哀楽の能力を育てて、産声と共にそれを働かせる。世の人たちは幼な児に「よーく目を見開いて世の有り様をごらんなさい、それに学びながら立派な人間になって下さいよ」と励ますべきだ。それと反対のことをやって、愛児とか、親心だなんて思うとしたら、とんでもありませんな。
私は幼児の問題を反省させられるとともに、自分の人生観についてクリーニングをさせられた。そのおかげで、今新しい気流を体内に感じています。どうです!「絵本で子育て」センターの仲間になりませんか。親子で一緒に楽しく育つために。
故 中川 正文
(大阪国際児童文学館館長兼理事長・作家)
花ざかりといわれる絵本を前にして、途方に暮れている私たちですが、その中から何を択ぶか、となると、やっぱり人まかせにしないで、自分が責任をもつべ きでしょう。
毎日の食材と同じように「心の栄養」としての絵本ですから当然です。世間一般の方々に絵本の択び方や楽しみ方を、直接伝えることの指導者。 そういう役割を果すエリートを養成する本邦初の独自な試みであり、絵本に寄せる夢の数々を実現するステキな冒険なのです。
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