第14期「絵本講師・養成講座」東京会場第5編が、2018年1月20日(土)に飯田橋レインボービルにて開催されました。
午前の部は、受講生の皆さんが待ちに待った、森ゆり子理事長の絵本講座『絵本で子育て』の実演が行われました。
最初に、絵本の読み聞かせの体験から始まりました。
理事長の穏やかな声での『ちびゴリラのちびちび』の読み聞かせを、受講生の皆さんはリラックスした様子で聞き入っていました。
「だいすきだよ!」というフレーズがたくさん入っている絵本を読んであげることは、自分が言われているのと同じ体験ができるというお話に、皆さん深くうなずいていました。
次に、日本で一番売れている絵本『いないいないばあ』では、別れてもまた会える、不安から安心という体験から、自分は大切にされている存在であるという自尊心が育つということ、また、子どもたちは絵をしっかりと読み取り、いろいろな絵の変化に気付き、ストーリーを自分で想像していくので、絵本は表紙から裏表紙までしっかり見せながら読んであげて欲しいという言葉が心に響きました。
また、『いいこってどんなこ?』では、今、家庭に言葉が少なくなっている、親が一生懸命育てたとしても、子どもに伝わっていなければ、愛を伝えたことにはならない、子どもをまるごと受け止めて、わかるように伝えて欲しいと熱く語られました。
そして、絵本の読み聞かせをすることで、子どもに愛を伝える5つの方法が全て満たされるというお話から、受講生の皆さんは、絵本が持っている力や、読み聞かせの役割の大きさ、絵本で子育てすることの大切さを改めて実感した様子でした。
午後の部は、片岡直樹氏(小児科医・川崎医科大学名誉教授)の講演が行われました。
『テレビ・ビデオが子どもの心を破壊している』という演題で、乳幼児期の電子メディア接触と言葉の遅れについて、3つの症例をあげてのお話しは、とても興味深いものでした。
片岡先生のお話しから、電子メディアが乳幼児に与える影響の深刻さを痛感しました。
また、『自閉症スペクトラム』を例に、「話しことば」とは親子間の応答環境から自然に出てくるもので、知識として大人から教えられる「読み書きことば」とは違うということ。お母さんと赤ちゃんの心の響き合いの中で、口真似をしているうちに「話しことば」は身についていくものだと教えてくださいました。
そして、乳幼児期の電子メディア接触を見直し、五感を育てる育児へ方向転換することが大切で、五感の体験から感情が育ち、真似をすることでコミュニケーション能力が芽生えるとも語られました。
そのことからも、親子の触れ合いとして絵本を読むことは、とても良いことだと再確認することが出来ました。
その後、池田加津子理事より講座の学び方や、最終課題の記入方法について説明があり、引き続きグループワークの時間となりました。
グループワークでは、前回の課題を見直したり、最終課題について質問しあったり、絵本の紹介をしたりと、時間ギリギリまでヒートアップした話し合いは続き、今回も充実した内容で、第5編 絵本講座・実践編は終了しました。
次回はいよいよ閉講式です。全編を終え、絵本講師として成長した、受講生の皆さんの誇らしい姿にお会いできることを楽しみにしております。
(おおいで・あゆみ)
(おおいで・あゆみ)
会場風景
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