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報告者
芦屋8期生
冨田 啓子
第6編   〜 私の絵本講座の発表 〜
2013年2月23日(土) ラポルテホール
主催:NPO法人「絵本で子育て」センター  共催:ほるぷフォーラム社
協賛:岩崎書店・偕成社・金の星社・こぐま社・鈴木出版・童心社・福音館書店・ほるぷ出版・理論社

 第9期「絵本講師・養成講座」芦屋会場の閉講式が2013年2月23日(土)、芦屋ラポルテホールで開催されました。
寒気の続く日々ですが、会場は早々に満席状態になりました。今日から絵本講師としての一歩を踏み出すことになる受講生は、春の息吹をいち早く聞き取っているような清々しい姿です。

閉講式は森ゆり子理事長からの修了証書授与で始まりました。第1グループから順々に受講生の名前が読み上げられ、壇上前に並んで、リーダーが代表として、修了書を受け取ります。
その後、会場の方へ向き直り一礼されると、盛大な拍手が会場一杯に響き渡ります。修了生の皆さんの笑顔が素敵です。
8グループまでの授与が行われ、理事長からお祝いの言葉をいただきました。この一年間、共に学んだ受講生との貴重な時間が一人ひとりの顔を変えてしまったようです。今まで、たくさんの受講生を送り出してきた理事長が、確かに感じられる受講生の変身ぶりに会場は温かいまなざしと希望に満ち溢れていました。講座で学んだことを教えてあげるのではなく、一緒に学んでいこうという姿勢を忘れないで進んでください、と新しい旅立ちに大切な心構えを改めて話してくださいました。

 次に、藤井勇市専任講師からは、優秀な最終レポートが多かったと全体講評をいただきました。そして、講師として人の前に立つ時は、聞いていただく方が子どもでも大人でも、畏怖の念を持ち語っていただきたい。そして、これからも絵本の知識だけでなく幅広くたくさんのことを吸収して子どもにとって本当によい社会はどのようなものか、と自らに問い続けることを講師としての心構えの一つとしていただきたい、と話されました。

祝辞として服部貴子様(芦屋7期)から、人前で話すことが苦手だったが、その分毎日練習をして少しずつ自分の言葉で話ができるようになったことなど受講生の立場に立ってのアドバイスと、これからの講師としての活躍を期待しているとエールを送っていただきました。続いて舛谷裕子様(はばたきの会副会長)からは、蝋梅の花言葉、「慈愛、先導、先見」からエールの言葉をいただきました。

最後に、こぐま社の吉井康文様から、世の中は子どもにとって生きにくい方に進んでいること。そして、便利になると必ず失うものがあり、私たちは聞く力を求めながらも、聞く力を弱める方向に働きかけている社会に住んでいる。この状況をしっかりと見つめながら絵本を通して肉声での子育ての大切さを再認識して、それぞれのフィールドでの活躍を期待しています、とお祝いの言葉をいただきました。

午後は「梅田俊作 自作を語る」と題して、梅田俊作先生の講演です。はじめに、中学生は人生の中で正義感、感性が一番するどい時期だと言われ、『しらんぷり』でいじめられていた子がなぜ、転校というかたちで逃げなくてはならなかったのか、大津のいじめ事件が起こる前から考えていたと話されました。そして今、『しらんぷり』の続編を執筆中だそうです。
私たちは地震と隣り合わせの国に住んでいるという事実をしっかりと認識して、迎え撃つぐらいの心構えが必要だ、と繰り返し話されました。人としての誇り、舫い綱(もやいづな)、わが子のように他人の子に接する(わがごと)は今の時代を生きる私たちにとって大切なことではないか、と問いかけられているようでした。
会場には梅田先生が描かれた「命の循環」の絵画が6作品並び、その制作意図を詳しく話してくださいました。「笑い」、「怒り」、「涙」ありの先生のご講演は、きっと皆さんのなかに和やかな時間として記憶されることでしょう。

講演の後、記念撮影が行われ、梅田先生ご夫妻も記念撮影に入っていただき、「思い出の一枚」を撮影しました。

最終コーナーは、原知恵(芦屋7期)の司会のもと懇親茶話会が開催されました。
「絵本講師・養成講座」の講師、とよたかずひこ氏、飫肥糺氏、各協賛出版社からいただいた祝電が披露されました。その後、各グループの代表が講座の感想や、受講中の出来事など話されてとても盛り上がりました。
 リポートでは一生懸命書きあげたのに、自分の言葉でなく誰かの言葉の継ぎ接ぎに気が付き、自分の言葉を生み出す苦しみを知ったという受講生の話には会場が静まりかえり、思い当たる方が多数おられたのでしょう。会場から大きな拍手が起こりました。

一年間は長いようで短くもあります。この「絵本講師・養成講座」で学んだことが最終ではなく、始まりだということを、胸に秘めて、受講生の皆さんは心新たに絵本講師としての一歩を踏み出してゆかれるのだと感じました。受講中に出産された方、出産予定日2週間前の方も、ともに元気な姿で出席されて、喜ばしいひと時となりました。

絵本の力が必要な時代に生きる私たちは、これからも学び出会いを繰り返しながら、絵本講師の仲間たちと、大きく羽ばたいていくことを願っております。
また、どこかで、皆様にお会いできる日を楽しみにしております。(とみた・ひろこ)



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