2021年度第18期絵本講師養成講座のカリキュラム

第18期「絵本講師・養成講座」東京会場の開講式 第1編
2021年5月29日(土)

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大出 あゆみ(東京13期)

 第18期「絵本講師・養成講座」東京会場第1編が、2021年5月29日(土)に飯田橋レインボービルで開催されました。初夏を感じさせる日差しの中、早々と受講生の皆さんが会場入りし、緊張感漂う雰囲気に包まれ、開講式が始まりました。

①大久保広子
大久保広子

はじめに森ゆり子理事長より「私の夢は、街を歩けば絵本講師に当たるというほど、絵本講師の方が活躍するようになること。皆さんも1年間、絵本で子育てする大切さを学び、絵本を読むことで愛を伝えていってほしい」と開講の挨拶がありました。また、「この講座を終えるころには、きれいに若々しくなる。楽しい1年間を共に学んでいきましょう」という理事長からのメッセージを聞いて、受講生の皆さんも段々と笑顔になり、和やかな雰囲気となってきました。

②森ゆり子
森ゆり子

続いて、大出(東京13期)より、「たくさんの皆様をお迎えして共に学べることを心からうれしく思い、子どもたちに愛を伝えるべく、今日から、絵本で子育てすることの意味や大切さを一緒に学んでいきましょう!!」と祝辞を述べさせていただきました。

③大出あゆみ
大出あゆみ

また、副理事長で絵本講師の会副会長の大長咲子さん(芦屋1期)より、「これから講座を学んでいく皆様には、ぜひ、はらぺこあおむしのように、たくさんの学びを吸収していってほしい。ときには消化不良を起こすこともあるだろうけれども、たくさん学んで、絵本講師として羽ばたいてください」と祝辞がありました。

⑥大長咲子
大長咲子

その後、「絵本講師・養成講座」専任講師で「絵本で子育て」センターの藤井勇市顧問より、「この国の家庭には言葉やリアルな人間関係がない。言葉を取り戻すために、人と人との言葉のかかわりの大切さを伝えることが、絵本講師の役割である」という、絵本講師に対する熱い思いが語られました。そして、様々な情報があふれている現代社会の状況から、ますますその重要性を感じ、自分で考えて行動することの大切さをぜひ学んでほしい」と祝辞がありました。

⑤藤井勇市
藤井勇市

そして最後に、理事で絵本講師の会副会長の池田加津子さん(芦屋2期)より、「昨年一年間は、人と人とが会って言葉を交わす機会が減り、本講座も全員集まることが難しかったが、本日、たくさんの方を目の前にし、胸が熱くなった」との言葉のあと、養成講座の学び方、リポートの説明がありました。

⑦アーサー・ビナード氏
アーサー・ビナード氏

午後は、「『ありえない!』のはじまりだ! 未来につながる昔のものがたり」という演題で、アーサー・ビナード氏の講演がありました。最初に、『ホットケーキできあがり』(エリック・カール/作、アーサー・ビナード/訳、偕成社)を読んでくださり、「エリック・カール氏の作品は物事の本質を描いているので古くならない。子どもたちにとってどうなのかをいつも考えている」という、エリック・カール氏の数々の作品の翻訳を手掛けたアーサー・ビナード氏ならではの見解に、皆さん興味深くうなずいていました。

その後、今年4月に発行された絵本『ありえない!』(エリック・カール/作、アーサー・ビナード/訳、偕成社)を紹介してくださり、「むのたけじ氏の『絵本でジャーナリズム』(NPO法人「絵本で子育て」センター)に子どもたちにとって大切な能力が書かれていた。それは「疑う」ということ。昔話や民話には疑う力の要素が必ず入っていた。この絵本もその力を届けたくて作った作品である。人間は疑う能力があったからこそ生き延びてきたが、その力を失いかけた現代にこそ、幼児を扱う時に疑う力を失わずに伸ばしながら育てなければいけない‼」という、この作品に込められたビナード氏の熱い思いを聞き、会場は大きな拍手で包まれて講演終了となりました。

次に、グループワークの時間となり、受講生はグループにわかれ、自己紹介やリーダー・サブリーダーを決めました。また、講座に参加したきっかけや、絵本に対する思いなどを語り合ったり、講演の感想を話し合ったり、リポートについて質問し合ったり、絵本を子育てに取り入れている体験談など、活発に意見交換が行われ、グループ内の距離が縮まっていくのを感じました。

そして本日のカリキュラムが終わるころには、受講生の緊張はすっかりほぐれ、笑顔で会場を後にする姿を目にし、今日の第1編の交流が充実したものであったことを実感しました。今期も1年間、励まし合い、楽しみながら学び、貴重な時間を過ごしながら、共に成長していけたらと思います。

(おおいで・あゆみ)

 

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