18期開講式 会場風景
18期開講式 会場風景

第18期「絵本講師・養成講座」大阪会場

第18期「絵本講師・養成講座」大阪会場第2編 2021年6月19日(土)

報告者 後藤 純子 

後藤 純子
後藤 純子

 第18期「絵本講師・養成講座」大阪会場第2編が2021年6月19日(土)、CIVI研修センター新大阪東において開催されました。梅雨らしい雨の降る一日、新型コロナウイルス感染防止ということで、検温や手指の消毒などを実施しながらの開催となりました。

大阪#2会場風景
大阪#2会場風景

午前の部は松居直先生のDVD講義「絵本のよろこび」を視聴しました。松居先生の講義は2010年に録画されたものですが、自分の周りに空虚な言葉が増え、心を通わせる言葉が少なくなったと感じられる今、先生のご講演はとても新鮮に感じられました。

人間の身体、存在する空間は全て言葉でできており、人間は言葉なしでは生きられない、だからこそ、幼い時に両親からどんな言葉をかけられて育つかが大切である、ということをお母様に読んでもらった北原白秋の作品やご自身が思わず口にした子守歌などのエピソードを交えてお話くださいました。また、『星の王子さま』から「大切なものは目に見えない、だから言葉も実感できるような生活経験の積み重ねが必要」とおっしゃったことも私の心に残りました。

 

 午後は、とよたかずひこ氏の講演「でんしゃにのってももんちゃんがやってくる―自作を語る―」でした。初めにご家族で大阪を旅行されたエピソードを紹介され、旅行中に「たこ焼き」を食べたということが、『にょろにょろり』(童心社)というタコが出てくる紙芝居の実演につながり、楽しい雰囲気の中で講演が始まりました。

とよたかずひこ氏
とよたかずひこ氏

紙芝居は複数の聞き手に対して演じるので、聞き手が理解できるかを編集会議で検討することや絵本の創作では編集担当者と話し合いながらアイディアを練っていくといったことを、紙芝居や絵本の読み聞かせを交えてお話しされました。また、子どもの時に聞いたおばあ様の話がもとになって『でんしゃにのって』(アリス館)のアイディアが生まれたことからは、小さい時に家族で過ごした時間が大きくなっても人の心に残っていることを感じました。講演の最後に、現在創作を進めている絵本があることもお話しくださいました。

 

次に、大長咲子副理事長(芦屋1期)から「絵本講師・養成講座」の学び方について話がありました。課題レポートや修了後に絵本講座をするときの注意とともに、松居先生の講演に関して、家庭に言葉を取り戻すことの大切さや絵本の読み聞かせの意味を確認することができました。

グループワークは、武田美保さん(芦屋4期)による『いない いない ばあ』(童心社)の読み聞かせから始まりました。各グループでの読み聞かせでも、聞いている人がみな絵本を見ながら楽しそうに聞いておられたのが印象的でした。グループワークも2回目となり、今日の講演のこと、絵本の読み聞かせのこと、親子の様子などそれぞれのグループでさまざまな話題を話し合うことができました。

絵本や子育てについて共に学び、語ることの喜びを感じた一日となりました。(ごとう・じゅんこ)

大阪第2会場風景
大阪第2会場風景

 過去の「絵本講師・養成講座」の各編はここからご覧いただけます。