18期開講式 会場風景
18期開講式 会場風景

第18期「絵本講師・養成講座」大阪会場

第18期「絵本講師・養成講座」大阪会場第1編 2021年4月24日(土)

報告者 熊懐 賀代

①加藤美帆
加藤美帆

 第18期「絵本講師・養成講座」大阪会場が2021年4月24日(土)、CIVI研修センター新大阪東にて開講されました。薄くかすんだ空の下、春らしい一日を予感しながらも翌日には緊急事態宣言発出の報道もあり、どのくらいの参加があるのか待ち受けるスタッフ一同心落ち着かぬものがありました。午前10時、受付開始です。お一人、またお一人と、少し緊張されながら「おはようございます」と笑顔で受付される受講生。18期生29人の方をお迎えし、会場は柔らかく嬉しい期待がいっぱいにふくらんでの開会となりました。

②森ゆり子
森ゆり子

 初めに、森ゆり子理事長より「私の夢は、街を歩けば絵本講師に当たる、というほど絵本講師の方がどの街でも活躍されるようになることです。皆さん、一年間絵本で子育てする大切さ、楽しさや絵本の力などをしっかりと学び、そしてそれを伝えてほしい。今世の中のニュースは重く硬い表情になってしまうようなことが多いですが、きっと学ばれるほどに皆さまは生き生きとそれは美しくなっていかれるはずです」と開講の挨拶がありました。

③熊懐賀代
熊懐賀代

 続いて、熊懐(芦屋4期)より、今年も共に学ばれる皆さまをお迎えして心から嬉しく、一年間の学びを通してたくさんのすばらしい出会いがありますように、と祝辞を申しあげました。

④池田加津子
池田加津子

 また理事で絵本講師の会(はばたきの会)副会長の池田加津子さん(芦屋2期)より、「昨年一年間は人と人とが会って言葉を交わすことが突然に減り絵本講師の活動も難しかったが、そのような時だからこそ言葉や絵本の力について大切に学んでいきましょう」と祝辞がありました。

⑤藤井勇市
藤井勇市

 続いて続いて、「絵本講師・養成講座」専任講師ので、当センターの藤井勇市顧問より、この講座を立ち上げた18年前、家庭から言葉が失われつつあるという危機感から、親子で絵本を読むことで家庭に言葉を取り戻し心を交わし合うことを願ったが、現在ますますその重要さを感じる。絵本についてだけでなく様々な情報をもとに自分で考え行動することが学びである、とのお話がありました。

⑥大長咲子
大長咲子

 その後、副理事長で絵本講師の会副会長の大長咲子さん(芦屋1期)より、本講座の学び方についてお話があり、丁寧なガイダンスに受講生の皆様の表情もほっと和まれて、お昼休みとなりました。

⑦アーサー・ビナード氏
アーサー・ビナード氏

 午後は、アーサー・ビナード氏を迎えての記念講演です。「『ありえない!』のはじまりだ!未来につながる昔のものがたり」と題し、興味深い話題が快活な語り口で次々と繰り出されます。アーサーさんは、むのたけじ氏の『絵本とジャーナリズム』より〈「疑う」という能力を育てることが大切〉の言葉を引用され、それは例えば初めての人に対する人見知りなどのことだけれども、今むのさんの言葉が生きている。昔話や児童文学は、子どもが本来持っている「疑い本質を知ろうとする力」、すなわち生きていく力を高めるために語り継がれてきた。しかしその本質を抜きにして、お話の楽しさだけをエンタテインメントにして自分の利益にしてしまうこともできる。物語は、やり方次第で人を落とすことも思考停止に追い込むことも、喜びの力で高めることもできる。最新作も披露してくださり、力のある日本語で、疑う力を備えて作られた本が子どもに届くとどんなことになるか!」という熱い言葉が、本を届ける大人としての私たちの心に響きました。

 最後の時間はグループワークです。窓からの風を感じながら、どのグループも和やかに自己紹介や受講に向けての思いなどが交わされていました。今日、18期開講式が迎えられたことに感謝。一人ひとりが「今だからこそ」大切なものを自分の目で見て考える学びの時間を重ねられますように。

熊懐賀代
熊懐賀代

(くまだき・かよ)

18期開講式 会場風景
18期開講式 会場風景

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