第18期絵本講師養成講座
第18期絵本講師養成講座

第17期「絵本講師・養成講座」大阪会場 第4編 2020年10月24日(土)

報告者 安達 光生 

 第17期「絵本講師・養成講座」大阪会場第4編が2020年10月24日(土)、CIVI研修センター新大阪東において開催されました。新型コロナウイルス感染予防対策をした会場に受講生23名の出席があり熊懐賀代(芦屋4期)さんの司会で講座が始まりました。

熊懐賀代
熊懐賀代

午前の部は、とよたかずひこ先生の講演です。講演時間前から受講生の皆さんと打ち解けた雰囲気で始まりました。紙芝居『にょろ にょろり』では出版社とのやり取り、『はい、タッチ』ではご自身の団地での子どもたちとの交流、『でんしゃがくるよ』は2人の娘さんとの実体験からそれぞれ生まれた作品とお話が広がりました。

とよた先生
とよた先生

紙芝居は不特定多数の前で演じられることが多いので、「わかるかなあ?」と考えながら編集者、保育士などの意見を聞き、独りよがりにならないよう心掛けている。紙芝居は絵本と違い起承転結をしっかり書く必要がある。紙芝居では演じ手が参加者とやり取りをしながら進めていく手法があり、それが「ト書き」に書かれてあること。絵本とは違う紙芝居の魅力をそれぞれの紙芝居を演じながらお話しされました。後半は大型絵本を読みながらのお話でした。

故郷の駅名と駅弁販売のエピソードが作品に繋がったお話、野球選手の名前から名付けた「ワニのバルボン」シリーズ、中学校の先生が『どんどこ ももんちゃん』を読まれたクラスの生徒からの感想などを紹介くださいました。作品が生まれる背景にはたくさんの体験、出会いがあると思いました。読み継がれる絵本が生まれるには時間がかかり、親に読んでもらった絵本を20年後に自分の子どもに読み、孫に読む。読む大人がその絵本を楽しんでいれば、子どもに伝わり、結果的に長い年月読み継がれる絵本になる。幼い子どもはあまり好き嫌いがないので許容範囲が広いから、読む大人が楽しいと思うと、子どもはその絵本は好きになるなど、読む大人側の心構えも話されました。

大長 咲子
大長 咲子

午後の部は故中川正文先生のDVD講演です。絵本は「与える」ものではなく、「おろす」ものでもない。絵本の絵は一番ステキな絵であるべきだ。絵本では、排泄と性的描写はやめてもらいたい。大人として、はっと気づかされるお話しでした。メディア(特にテレビ)と本の違いを、テレビと視聴者、絵本と読者の違いとして、わかりやすく説明されていました。その中で、メディアは一度聞いてわかるような内容であるが、何度も繰り返し読み、一度ですべてを理解できないのが本である、という言葉が印象に残りました。最後に『すみれ島』を朗読してくださり、会場は感動に包まれました。

中川先生
中川先生

藤井勇市顧問による「中川先生の思い出」は20分ほどの講演でしたが中川先生と当センターとの温かい交流をお話しされました。

藤井 勇市
藤井 勇市

グループワークでは、皆さんから参加できた喜びと、共に学んだ安心感が伝わってきました。絵本講師として活躍する夢を語って、秋晴れの良き日、帰途につかれました。

(あだち・みつお)

 

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