2021年度・第2回「絵本講師の会」東京交流会/2021年11月28日(日)
2021年度 第2回「絵本講師の会」東京交流会が2021年11月28日(日)、飯田橋レインボービルにて開催されました。参加者は21名でした。「絵本講師・養成講座」でも使われた中会議室でしたので、とてもゆったりとした会場に感じました。
司会は中田朋子さん(東京7期)とジェリー・マーティンさん(東京8期)。落ち着いた雰囲気の中、交流会が始まりました。
森ゆり子理事長からのご挨拶と、グループワークでの課題のお話しがありました。「タブレット端末を使用した絵本の読みきかせ」について、皆さんで話し合ってくださいとのことでした。こちらの詳細については、後程報告いたします。
そのあと、自己紹介と支部の紹介がありました。司会のジェリー・マーティンさんが代表をしていらっしゃる埼玉支部『リブレット』はコロナ禍でオンラインの支部会を余儀なくされていたそうです。これからは活動再開に向けていかれるとのことでした。
続いては絵本講座の実演です。午前中は下山寿美子さん(東京16期)の「絵本の悩みスッキリ解消講座~子どもたちが絵本に求めていること~」です。私とは1期しか違わないのに、その堂々とした講座に感心させられることしきりでした。特にお母様との思い出のつまった『ぼくのぱん わたしのぱん』(神沢利子/作、林明子/絵、福音館書店)に関するエピソードは胸がしめつけられる思いがいたしました。ご自身の子育て体験を含めた講座は聞く人の関心を集めるのだろうと思います。
昼食は2種類のお弁当から選ぶことができました。各自、自分の席での黙食となりましたが、食後は小さな声でのおしゃべりを皆さん楽しんでいらっしゃいました。
ジェリー・マーティンさんの『どんぐりたいこ』(ジェリー・マーティン/作 長澤星/絵 すずき出版)の紹介もありました。特製のクリスマス帽子付きです。ご本人による読みきかせの披露もあり、とても楽しい時間を共有することができました。秋にぴったりのリズミカルな絵本です。
午後の講座は、多本ゆき枝さん(芦屋12期)の「読み聞かせで心育て・ことば育ち」です。多様な特性を持つ子どもたちへの語りかけの難しさと、どんな子どもでも心のこもったよみきかせは届くのだということを感じました。お持ちいただいた本もとても興味深い本たちでした。
藤井勇市顧問による時事放談は、今回も深く考えさせられました。私たち絵本講師は世の中に対して無関心ではいけないと思いました。考えることを手放してしまうことの危険性。メディアで報じられる事柄に疑問を持たないことが、思考停止につながってしまうのだと感じました。自分で考え、調べることが重要なのだとしみじみと思います。
グループワークは3つのグループに別れて行われました。森理事長からの課題に対して、活発な意見交換が行われ、各グループからまとめた意見の発表がありました。タブレット端末を使うこと自体は悪くはないが、読みきかせをそれでおこなうのは違う。絵本は紙の媒体でこそ本領が発揮され、電子書籍では作者の意図も伝わらず、思い出の本にもなりえないのではないか、などの意見が多くありました。またタブレット端末と紙の絵本の両方で同じ本を読みきかせしてみてはどうか、という意見もあり、個人的にはおもしろい取り組みではないかと思いました。グループワークの後半は、各自絵本にたいする思いや絵本講座をひらくための話などで盛りあがり、あっという間に時間となってしまいました。
名残り惜しい気持ちでしたが、今回も素敵な時間を過ごさせていただいたことに感謝しつつ、会場を後にいたしました。また、次回お会いできるのを楽しみにしております。
(せきぐち・まさこ)