第18期絵本講師養成講座
第18期絵本講師養成講座

第17期「絵本講師・養成講座」東京会場第4編 2020年11月28日(土)、飯田橋レインボーホール

報告者:市川洋美(東京8期)

 第17期「絵本講師・養成講座」東京会場第4編が2020年11月28日(土)、飯田橋レインボーホールにて開催されました。新型コロナウイルスの感染が急増している中での講座開催でしたが、14名の受講生が参加されました。

岡部 雅子
岡部 雅子

 午前の講演は、森ゆり子理事長の絵本講座実演「絵本を読んであげましょう」です。受講生の皆さんを保育所の保護者と設定しての講座です。絵本を読んでもらう経験を感じていただきたいと『ちびゴリラのちびちび』の紹介から始まりました。「一生懸命絵を見ていてください」と、文字を読むことに目がいってしまいがちな私たち大人に、絵から言葉がたくさん溢れ出ていること、絵から言葉を読み取ることの大切さを語られました。

森 ゆり子
森 ゆり子

 家庭に言葉が少なくなっていることを懸念され、絵本を読むことで家庭に言葉を取り戻してほしい、子どもを大切だと思っている気持を上手に伝えてほしいと熱く語られました。コロナ禍の時代、家の中で家族だけで過ごす時間が増えている今だからこそ、家庭で絵本を読むことの大切さをより感じました。日本の子どもは自尊感情が極めて低いといわれていますが、絵本を読むことで「あなたを大切に思っているよ」と伝えることができます。心は心でないと育てられません。心の基礎体力をつけるために、毎日心を揺さぶってほしい、「わくわく、どきどき、はらはら、うきうき」と、どれだけ楽しい時間をすごしているかが、これからの子どもの成長に関わっていきますし、大人も一緒にいろいろ体験することができますというお話に、とても共感しました。

東京会場
東京会場

 午後は故中川正文先生の「絵本、わたしの旅立ち」という講演をDVDで拝聴しました。絵本を届けることは人が人に大事な文化を伝えることだから、絵本を子どもに「与える」「下ろす」という考えはやめたほうが良い。一冊の絵本を仲立ちとして同じ平座で経験を共にし、成長していくことが大切だとお話くださいました。だからこそ絵本は一番素敵な絵を見せてあげたい。良い絵本と出会うことで、人はどこからきてどこへ行くのかといったことにも気づくようになり、くり返し何度でも読みたくなる本を選ぶことが大切だとお話されました。最後に『すみれ島』を朗読してくださいました。平和であることの大切さを伝えていきたいとの強い思いに、心が引き締まりました。

 DVD終了後、藤井勇市顧問が「故中川正文先生の思い出」という演題で「絵本講師・養成講座」が開講されるまでの中川先生とのやり取り等をお話くださいました。音響機器の不具合でマイクの調子が悪く、森ゆり子理事長のお話で聞きづらいところがあり、またDVDが何回か止まってしまうアクシデントもあって、受講生の皆さんには大変ご迷惑をおかけいたしました。短時間でしたが、グループワークも皆さん熱心に散り組んでいらっしゃいました。

次回また元気にお会いできることを楽しみにしております。

(いちかわ・ひろみ)

市川洋美
市川洋美

東京会場第4編の会場風景 

会場風景
会場風景

 

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