絵本体験記281 「絵本と子育て」 今泉 ちはる (大阪府)

わたしの絵本体験記

~絵本フォーラム第127号(2019年11.10)より

 年の離れた弟に絵本を読んであげているうちに、私は絵本が好きになりました。
結婚して息子を授かったころ、たまたま弟と子どもの頃の思い出話になり、私が弟に絵本を読んでいたことを弟はよく覚えていてくれました。大事な思い出の一つに
なっていたことが嬉しくて、自分の子どもにも絵本を読もうと思いました。

 息子は、今ー歳10ヶ月になります。ー歳半くらいから読んでほしい絵本を自分で本棚から取り出し「どーじょ」と私や夫に持ってくるようになりました。ー日に20冊、30冊と読む日もあります。「どーじょ」は息子が大好きな絵本 『くだもの』 (平山和子/さく、福音館書店) から覚えた言葉です。 繰り返し読み聞かせるうちに、何かを渡すときには「どーじょ 」と言うようになりました。息子が「どーじょ」と絵本を持っていくのは私と夫だけではありません。時々遊びにくる両親にもです。 息子にとって絵本は、身近な人とのコミュニケーションツールになっているょうです。

 また、『かみさまからのおくりもの』 (ひぐちみちこ/さく、こぐま社) という絵本には「かみさま ありがとう」という言葉があるのですが、そこでは息子もいっしょに「あーとー」と言います。「あーとー」と言う息子の表情はとても優しく、「ありがとう」 という言葉は嬉しい言葉だとわかっているのだと思い、心の成長も感じています。

 私たちにたくさんの喜ぴをくれる絵本。これからも、息子と一緒に楽しく読み聞かせをしていきたいです。

(いまいずみ・.ちはる)