連載12 本の地図

『本の地図』
7年前、今のアパートに引越した時に3つのルールを決めました。

 7年前、今のアパートに引越した時に3つのルールを決めました。

1. 無駄なものを持たない。

2. 自分らしい部屋にする。

⒊ 本棚を4つ以上買わない。

1と2はルールを守っていますが、3は本が増えると年に何回か本の整理をしないといけません。

 最近、アプリを使って本のバーコードをスキャンして、本の管理をしています。これを使うと、自分が持っている本でのデジタル本棚が出来ます。「何を持っているか?」タイトルやキーワードで簡単に検索できるので、とても便利です。このアプリを使い始めてから「あ!持っていたのに買っちゃった!」ということがなくなりました。

 それでも、私は自分の本棚を見るのが好きです。初版や古書など特別な本を持っているわけではないのですが、本のタイトルを見ると、そこから違う本に繋がる、私にしか見えない線が見えてきます。本と本の間にある線は、私にしか見えない世界地図を通っています。

 この前、友達から「ジェリー、本棚の板が歪んでるよ」と言われて、「そろそろ本の整理をし直さなくちゃ」と思いました。今回は頑張って、「10冊ぐらい減らすぞ!」と決めました。友だちが帰ってから本棚の前に立ち、本の整理をし始めました。

 最初に目に入ったのはLee Bennett Hopkinsの『Books Are By People』でした。これは昨日買ったばっかりだからキープ。そこから私にしか見えない線をなぞって、目がSarah Dyerの『Five Little Fiends』にたどり着きました。ここは本棚の真ん中にある、絵本の国で一番広い国です。

 『Five Little Fiends』は支部会で話題になって盛り上がりましたし、来月の絵本講座で使うからキープ。線はまだ続いて、今度はさいとうあかりの『おちたらワニにたべられる』に到着。保育園で読み聞かせをした時に、それまで騒いでいた120人の子ども達が夢中になって「シーン」となった絵本です。これもキープですね。さらに私の目は進みます。

 とよたかずひこの『でんしゃにのって』、いわさきちひろの『うらしまたろう』、西村繁男の『おふろやさん』がありキープ、キープ、キープ。次に、目は瀬川康男の『いない いない ばあ』にたどり着きます。これは初めて日本語で読み聞かせした本だからキープ。そこからRuth Bornstienの『Little Gorilla』に。私の人生を変えた本だから、これも絶対キープ。

 その先、司 修の『俊寛』にも目が止まります。「これ長いよね……講座で使った事ない……あぁ、でも文章と絵の組み合わせが好きだからキープだな」。あれ? 松谷みよ子の『お月さんももいろ』はどこだっけ? それでまた『うらしまたろう』に戻る。

 目が進みながら本の内容だけではなく、紹介してもらった人の顔、どこで買ったか? 読んだ時の聞き手の反応が頭の中で浮かんできます。

 長いこと絵本の国に居たので、そろそろ移動してみよう。今度は下の方にある漫画の国へ行ってみよう! 国境で待っていたのは漫画の国の代表者、市川春子の『宝石の国』、星野之宣の『宗像教授伝奇考』、CLAMPの『エックス』と『ホリック』でした。これは私が絵本を作る時にイメージをたくさん与えてくれる参考書で、いつも読んでいます。「あぁ、漫画本は捨てられないな」全部キープだ。

 では、次に上の方にある小説の国へ行ってみよう! まず私を出迎えてくれたのは、小澤俊夫の『働くお父さんの昔話入門』、柳田國男の『遠野物語』、そこで私はふと思いました。「あ!これは全部、絵本講師・養成講座の最後のリポートに……」考えている途中で目が『絵本講師・養成講座テキスト第5巻』にたどり着きます。今日の「本の地図の目的地」はここになってしまいました。あぁ……本の整理をするはずが本は全然減ってません。また明日やってみよう!

(ジェリーマーティン)