私の絵本体験記
「絵本フォーラム」36号(2004年09.10)より
一緒に絵本を読める時間を大切に思う
角 恭子さん(大阪府大阪市)

写真  「自分の子どもができたら、絵本を読んであげたい」と、私はまだ自分自身が子どものころから漠然と思っていました。私の母は、熱心に読み聞かせをしてくれたわけではなかったのですが、私の手元におもちゃと一緒に絵本もそろえてくれていました。それらを眺め、読むうちに、私は絵本が大好きな子になりました。
 第一子の息子ができたとき、自分の好きな絵本を買いそろえていこうと思っていましたが、初めての育児に余裕もなく、本屋にゆっくり行くこともままならず、思い切ってほるぷフォーラムの絵本を購入することにしました。毎日いろいろな絵本を見られるのは、私にとっても楽しみでした。
 もちろん、疲れていて寝る前の読み聞かせをしないときもありましたが、次第に息子のほうから本を選んでくるようになり、また、1人で見入っていることも増えました。りんごの絵本はずっと好きで、『りんごころころ』や『りんごがひとつ』は3歳になった今もお気に入りです。初めて1人でまねっこ読みをしたのは、『ばいばい』。今は『あたまのうえにりんごがいくつ?』を、適当にですが、1人で声を出して読んでいます。
 『あたまのうえに……』もそうですが、何ともばかばかしい話もあり、じーんとするものもあり、自分だけでは選ばないいろいろなタイプの本がセレクトされているのも魅力です。今年、第二子の娘を出産し、2人の育児に疲れていたときに、『すきときどききらい』を読みました。息子は神妙な顔をして聞いていましたが、私のほうが涙ぐんでいました。
 こんな時間を共有できるのも、いつまででしょう? できる限り、力まず続けていきたいと思います。
前へ次へ