私の絵本体験記
「絵本フォーラム」34号(2004年05.10)より
親子の心をつなぐ読み聞かせ
小柳 紀子さん(福岡県春日市)

写真  私が読み聞かせを意識的に始めたのは3年前、3人目の子どもが0歳のころからです。絵本が持っているすごい力に気づくのに、そんなに時間はかかりませんでした。
 子どもたちと本を読む時間は穏やかで、子どもと私を幸せにしてくれました。図書館で本を探すのがとても楽しくて、おもしろい本に出会えると、何度も「読んで」と言われ、覚えるまで繰り返し読みました。
 長男が7歳、次男が5歳、長女が2歳のクリスマスの前の日、その計画は立てられました。
「おかあさん、明日、出し物するからね。今から準備するから、入ってきたらだめよ」と部屋を閉め切り、何やらごそごそつくり始めました。
 しばらくして、プログラムを渡してくれました。それは子どもたちが企画したクリスマスパーティの出し物で、わりばし人形の「3匹のこぶた」の劇、手づくりミニミニ紙芝居、3人それぞれ1冊ずつ本を選んでの読み聞かせという内容でした。
 せりふは弟が考え、兄が書く。妹も入れてやって、二人三脚でつくりました。
 当日は、テーブルを横にして舞台とし、「わらの家なんかふきとばしてやるー」とか言いながら、かわいらしいぶたの絵を動かしていました。
 読み聞かせは、中央に椅子を置いて、1人ずつ自分が選んだ好きな本をお母さんに読んで聞かせてくれました。本当にうれしかった。2歳の長女まで、兄のまねをして、本を見せながら読んでくれました。読み聞かせを続けてよかったと思える瞬間でした。
 本は、私と子どもをつなげてくれています。これからも続けていこうと思います。
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