私の絵本体験記
「「絵本フォーラム」28号(2003年5.10)より
親子共有の話題が持てる 絵本に夢中
鶴海 誠一さん(兵庫県篠山市)

写真  わが家には、絵本や紙芝居、ミニカーなどの写真集をあわせると、千冊近い数の書籍類があります。親の立場から見ても、「これだけの冊数を、よくもまあ集めたなぁ」というのが正直な思いです。
 絵本を買うことについて、父親である私は、最初はそれほど興味がありませんでした。と言うか、絵本の魅力について、あまりにも無知だったのです。自分自身はすごく読書が好きなのですが、「字もわからない小さな子に読んだって…」ぐらいの認識しかありませんでした。
 ところが、子どもには、大人では計り知れないすばらしい能力があるものです。同じ本を2、3回読めば、その本の題名はもちろん、内容までも覚えてしまうのです。読む時に一字でも間違えれば指摘をされるほどに。この記憶力には、本当に驚かされます。そのようなことが大きく関係していると思うのですが、息子はよく一人で空想の世界に入ります。人形などで遊びながら、作り話をしてくれるのですが、決していいかげんな内容ではなく、きっちりと筋道が通っているのです。長い時は10分ほど続くでしょうか。豊富な知識と言葉数がないと、とてもできることではありません。そういう能力がついたのも、読み聞かせのおかげです。他にも、親子共有の時間や話題が持てる、集中力や思考力が身につくなど、読み聞かせの効果を数えあげればきりがないぐらいです。仕事や育児で疲れていたり、忙しかったりで親に余裕のない時もあるのですが、できる限り、共有できる時間を今後も持ちたいと思っています。

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