私の絵本体験記
「「絵本フォーラム」27号(2003年3.10)より
子どもたちに与えてあげたい時間
魚地 紫織さん(千葉県夷隅郡)

写真  幼い頃、大きい本を隠れ家にしたり、草花でままごと遊びをしたり、自然の中で思う存分遊んだことと、家の本棚にある本を繰り返し読んで物語の世界で空想をふくらませていたことは、とても楽しかった私の思い出です。
 長男が生まれた時、今の子どもたちは大半が4・5歳からテレビゲームで遊び、小学校低学年から塾に通い、外で遊ばないなど、昔私たちが子ども時代を過ごした頃と大きく変わり、どうやって子どもに豊かな時間を与えてあげられるかしらと思いました。私は時代が変わっていても、自分が楽しかったように子どもにも楽しい時間を過ごさせてあげたいと思い、生後半年くらいに乳児向けの月刊紙を購読し、子どもと一緒に楽しみました。その時の家の本棚は、自分が保育短大学生時代に買い集めた本や、書店で自分の好みで購入したものでした。
 長男が2歳の時、『こども図書館』と出会いました。最初は、そんなに沢山の本のすべてに子どもが興味を示すのかという思いと、私が普段買わないような本も多く含まれているため、購入をためらいました。でもほるぷフォーラムの方のお話を聞くうちに、より多くの本と出会える機会をつくり、いつでも手をのばせば読むことができ、親の嗜好に片寄らず本を与えてあげることが大切と気づき、購入することにしました。
 今では私が忙しい時など、小2の長男が4歳の妹に読んであげています。そばで聞いていると、長男の語り口は私のと声の調子や抑揚までそっくりですが、まねているのではなく自然と同じになっているようで思わず笑ってしまいますが、子どもって全身で読み手の声を聞いているんだなと思いました。
 2人の会話には、絵本の中の言葉が自然と入っていたりして、楽しい時間をおくっています。
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