『ほるぷこども図書館』がわが家に届いてわずか半年ですが、嬉しいことがいっぱいありました。その中の一つを書きたいと思います。
下の子は『どろだんごつくろ』を読んでからというもの、私が幼稚園にお迎えに行くたびにどろだんごづくりをしていました。時には、泥で汚れた娘の頬に、くっきりと涙の跡が残っていることもありました。なかなか思うようにできないらしいのです。家に帰ると何度もこの本をめくっていました。そして園に行けば「みぎてにぽてん、ひだりてにぽてん」と繰り返していました。
ある日、少し遅れてお迎えに行くと、娘は園庭の隅っこでしゃがみ込んでいました。声を掛けると娘はニッコリと笑ってこう言ったのです。「まんまるくて、かたぁいおだんご、できたよ」私に見せたくて、飛んでくるボールからそれをずっと守っていたのでした。娘とそのどろだんごの愛しいことといったらありません。私はそーっと、そーっと受け取りました。小さな手で作られたそのどろだんごは、ずっしりと重たいものでした。
もしも、『どろだんごつくろ』を一緒に読んでいなかったなら、その重みを感動をもって受け取ることはなかったかもしれません。
まだまだ短いほるぷ歴ですが、絵本は私に子どもを見つめる心の目を与えてくれた気がします。
今日も、そのどろだんごがガラス瓶の中で笑っています。
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