リレー

学校で読み聞かせを始めよう
(宮城・角田市教育委員読み聞かせサークル「おはなしバンザイ会」主宰・堀米 薫)


 「読み聞かせを始めよう! それも、学校で!」
 『おもいついたらそのときに!』(西内ミナミ・作、西巻茅子・絵/こぐま社)のおばあさんのように、友人3人で学校での読み聞かせを始めました。今は会員も8人となり、毎週木曜日、朝自習の時間をいただいて、全学年いっせいに読み聞かせをしています。さらに、中学校や幼稚園、地域の公民館へも出向いて読み聞かせをしています。
 「中学校で?」とよく驚かれるのですが、ストレスの多い生活の中、ホッとするひとときのなのでしょうか、喜んで聞いてくれます。落語や文芸作品の絵本、そして、昔なつかしい絵本も心をなごませるようです。絵本は子どもだけのものではないということを実感しています。
 読み聞かせを始めて、子どもたちにうれしい変化もありました。上級生が下級生を集めて、紙芝居や絵本の読み聞かせをするようになったのです。絵本を持つ手つきも私たちそっくりで、ちょっぴり冷や汗ものです。きっとこの子たちは将来、自分の子どもたちに自然と絵本の読み聞かせができる、そんなお父さんお母さんになるのではないかな、と楽しみです。
 また、農村地帯という地域柄、おばあさんたちにも活動に加わってもらっています。私たちには追いつけない、人生の深みがあるのです。何ともいえない味わいを出して、昔話の絵本を読んでくれます。
 人の声を通して語られるときの「お話の力」、絵が語りかけるもの、その素晴らしさを、たくさんの人と共有していきたいと思っています。
絵本フォーラム29号(2003年7.10)より

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