埼玉新聞 2015年10月14日版

埼玉新聞

埼玉新聞 
2015年10月14日(水)
スゴ玉さん 見っけ さいたまのスゴい人

絵本の深さ伝えたい

英語と日本語の読み聞かせで人気 

 「こんにちは!」図書館に子どもたちの元気な声が響く。若い母親や父親らと笑顔であいさつを交わすジェリー・マーティンさん(34)。米カリフォルニアから来日して10年、英語と日本語によるバイリンガル読み聞かせ会で人気を集めている。

  マーティンさんは3年前、NPO法人「絵本で子育て」センターで絵本講師の資格を取得。翌年から、バイリンガル読み聞かせを市内の図書館で始めた。言語にこだわらず絵本の良さを伝いたいというマーティンさんは、世界各国の絵本を言語で読む。リピーターも多く、今では家族連れなど平均70人が参加する。マーティンさんによると、絵本の読み方を子どもに教える海外と違い、読み聞かせるのが日本式。「子どもも大人も聞き手になり、読んでもらうのが好きなようです」。基本は子ども向けだが、「英語で読むと、大人も絵に集中してくれる。大人が反応してくれるのが一番うれしい」と話す。4歳の娘を連れ毎回来ているという浦和区の主婦、斎藤久美子さん(38)は「いつも読んでいるが、聞く側だと新鮮。ネイティブの発音で読んでくれるので子どもも喜んでいる」。蕨市から来たという主婦(39)は「子どもの食い付きが違う。私自身が聞きたくて通っています」とほほ笑む。

  「風の谷のナウシカ」を読み日本にはまったと流ちょうな日本語で話すマーティンさん。
「感情や雰囲気が伝わる絵本の奥深さや力が好きです」。夢はみんなの記憶、心に残る絵本を作ることという。

 

 


前へ次へ 新聞記事インデックス

ホームページへ