新潟情報 2015年5月13日

読み聞かせ活動を通じて「絵本」のもつ可能性を発信

新潟情報 
2015年5月13日 vol.835

読み聞かせ活動を通じて「絵本」のもつ可能性を発信

絵本」を読む家庭にはきっと平和が訪れます。

 子どもの頃、親しむ物のひとつが「絵本」。就寝時に布団の中で、親に読んでもらいながら、穏やかな気分にひたった経験は多くの人が持っているだろう。 楽しい物語に笑い、こわいお化けに震えたりと、絵本にふれると自然と湧き上がる様々な感情。想像力を伸ばし、友情や道徳も学ぶこともできる。子どものすこやかな成長には、絵本は欠かせないツールだ。

 そんな絵本のもつ可能性を広げるというユニークな活動に取り組んでいるのが、絵本講師・福島はるおさん。「絵本は成長とともに卒業するもの」という“常識”に一石を投じながら、親子で楽しめる読み聞かせ活動は10年になる。 「大人もいっしょに楽しんでもらいたいので、読み聞かせの現場には、いろんな“仕掛け”を盛り込んでいます」。

 書店の売り場で絵本の「読み聞かせ会」をプロデュースする際は、始まるまでどんな絵本を読むかをあえて明らかにしないという、聞く人にドキドキ感を与える試みに大きな反響があった。集まった参加者の年齢層などから、瞬間的に作品を選択する。現場でも、ただ読むだけではなく、参加者にどんどん声をかけ、まわりを物語に巻き込んでいく。

作品のチョイスもオリジナリティあふれる。「絵本のほとんどは、“〇〇ちゃん、〇〇しましょうね~”など、女性言葉でつづられています。私は、あえて男性目線から、性差のない作品を選んでいます」。

 世間が選ぶ“優良図書”から少しだけ距離をおいたセレクトは、子どもたち・親たちにとっては刺激的である。たちまちハートをつかみ、歳の差を超えて“ふくちゃん”と呼ばれ親しまれている。

「子どもにまつわる事件があとを絶たない昨今ですが、例えばお父さんお母さんが、毎日子どもへ絵本を読んでいるような家庭からは、悲しい事件は起こることは無いと思うんです」。

 絵本は、家庭愛和の象徴でもあり、親子を結ぶふれあいの道具。その思いを胸に“ふくちゃん”は、今日も絵本をかかえ子どもたちのもとへと向かう。

 

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