< 2013年度 第2回「絵本講師の会」合同交流会報告 ( 2013/12/07)

『絵本講師・養成講座』修了生交流会 | はばたきの会 2013年度 第2回 冬日にしては、比較的暖かい日差しの良き日、12月7日(土)に芦屋市民センターに於いて、本年度第2回目の「はばたきの会」交流会が開催されました。
今回は合同交流会という事もあり、東京会場や、また遠方から来られた方も含め約40名が全国から集いました。

冨田啓子さん(芦屋8期)の司会で進行された、交流会のプログラムは森ゆり子理事長より「みなさん楽しんでおかえりくださいね」との挨拶の言葉をいただけたとおりの、全身で楽しめ心温まる内容のものでした。

午前の部は、恒例の1分間自己紹介から始まりましたが、みなさん「苦手で…」と言われながらも、スラスラと思いを込めて話されている姿は、さすが絵本講師の会さながらでした。「遠方より楽しみに参りました」「楽しんで帰りたいです」と“楽しむ”が今回のキーワードの集いってワクワクしますね。

続いて、講座実演は有松孝子さん(芦屋4期)です。
「親子でふれあいを!」と題して“親子同伴参加の絵本講座(手遊びなども含む)”の実演をいただきました。
講座の運びは、絵本の「絵のちから」「まほうの言葉」に、ちからを借りての“読み聞かせ”そして、(もし子どもたちの場がざわついてきたら)「ふれあい遊び」です。
「まめまめころころ…」等と聞き覚えのあるわらべ唄にあわせて、スキンシップを楽しませてもらっている聞き手は(人にふれてもらってるって、こんなに気持ちの良いものなんだなぁ)と思わず誰もが笑顔に。
いざ、気分がのってきたところでの「エプロンシアター」。
手作りエプロンを身につけ、“カレーライスのうた”にあわせて、大きな手ぶり身ぶりで演じてくださる有松さん。壇上に立たれた小さなお身体からは想像もできないパワーのある、そして心細やかな講演でした。
私たちは、メモをとるのではなく、全身記憶の残る愛をいただけたひと時でした。

昼食をはさんで午後の部は、まず「高齢者への読み聞かせについて」 関西医科大学の菅谷泰行氏より、協力依頼がありました。
内容は「高齢化社会のこの日本において、私達はこれから、自分・家族・近所のどこかで、認知症の人と関わるようになります。じゃあ、どんな関わり方をするのでしょうか?」と問題を投げかけられ、そこで「絵本」との取り組み方、関わり方こそが高齢者の言葉、コミュニケーションに重要で効果的である。と述べられました。
菅谷氏は、“お年寄りと小さな子ども”という世代間交流も考えられている中、「絵本の読み聞かせ」がその仲立ちを成しうるでしょう。と。
私たち絵本講師に参加協力を依頼された。というものでした。

続いては、澤井彩さん(芦屋7期)による「高齢者対象への読み聞かせ実演」でした。月に2回程、支部のメンバーと代わる代わるに訪れる高齢者ホームでの講演内容です。
方言が心地良い絵本や、聞き覚えのある数々の言葉が繰り出される絵本の読み聞かせに会場はまたもや沸騰。お年寄りの方々は目を閉じて何度も頷き、居眠りをしておられた方でも最後には拍手をして下さるそうです。
また、季節行事を意識して、絵本を届けておられる。という澤井さんは「何よりも生の声を届けたい」「目と目をあわせ、声を届けて触れ合う」「これからの時代の役割のひとつだと思っている」と、最後に述べられ、会場はしんみり聞き入っていました。

そして、藤井勇市代表からは「絵本講師としての考え方」についてお話をいただきました。
自分の考えと違うものにも目を向け、興味を持つことは大切な事。
新聞がみんな違う意見を言っていることに気づくことがメディアリテラシーの第一歩なのです、と。
むのたけじ氏がおっしゃられた言葉で、絵本をあつかって届けようとしている私達に「いずれ本当に届けたいものが届かない時代がやってきます」と。
来年からは、むの先生は第一回講座の講師として入られます。
「未来は暗いけれど暗いというのがわかっていたら、明るくすることを努力するのが私たちの使命であろう」と、お話を締め括られました。

その後、グループワークでは“今日のプログラムに興味深々で楽しみにやってまいりました”“まだまだ足踏みしている自分に励みを拾い集めにやってきました”等々の声が聞けました。
この交流会にむけて、集う絵本講師達にとって、この会はただ単に活動についての意見交換の場だけではなく、自分自身への応援と栄養をも受け取りに来られる本当に“楽しみ”な場所なのだ! と感じる事ができた私も、なお心弾む1日でした。

最後に、舛谷裕子(副会長)から、「みなさんがこの後、夕飯の献立を考えながら帰れることは、幸せな事。世界にそういう人は3割しかいない」と、意味深く、閉会の言葉を頂いた頃には、夕陽が六甲の山近くに差し掛かっていました。
(あーぁ、芦屋の街は素敵だなぁ〜)と感じ、ほっこり気分で家路を急いだ私です。
皆さん、またの再会を楽しみにしております。ありがとうございました。


報告・星野めぐみ(芦屋8期)



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