< 2012年度 第1回交流会 報告 ( 2012/04/14 )

桜花舞う芦屋・更なる羽ばたきへの思い

 2012年度・第1回 絵本講師の会(はばたきの会)交流会が4月14日(土)、芦屋市民センターにて開催されました。
当日は10時の開会にむけ、開館と同時に幹事の方は荷物を運び入れ、設営などにとりかかってくださいました。

大変に手際よく準備完了。窓の外は雲が流れ、予報どおりの明るい一日の予感です。ひと時の後、少しずつ廊下に足音が聞こえ、スタッフの方はスタンバイ。受付近くにいると、幾人もの方の「おはようございます!」の笑顔にそれぞれの絵本が重なります。そう、今年は『絵本講師の本棚より』『続 絵本講師の本棚から』があるのですもの!

会場に再会を喜び合う談笑がこぼれる中、定刻となり、司会の池田加津子さん(芦屋2期)の晴れやかなお声で開会しました。
森ゆり子理事長の挨拶では、第8期終了時点で修了生は1000名を超え、「はばたきの会」会員は300余名になったとのこと。大変に心強く喜ばしい報告に、更なるはばたきへの思いを新たに致しました。
続いて「会則説明」。池田さんより規約が読み上げられ、合わせて16名の今年度幹事の方が、全会の拍手をもって承認されました。
また、「はばたきの会」発足時から副会長として活動をリードしてくださった井下陽子さん(芦屋1期)から、副会長退任のご挨拶がありました。井下さんは、今後も幹事・先輩として共に歩んでくださるとのこと、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

講師活動の第一歩(絵本講師への道)」では、大西徳子さん(芦屋6期)が、数々の資料を手に登壇、ご自身の体験や思いなどをお話してくださいました。
講座依頼のための活動資料としては、まず『きつねやぶのまんけはん』『おかあさんもようちえん』などの絵本、『絵本を読んであげましょう』『絵本講師の本棚から』などの出版物。「重いですが、活動を信頼していただけますし、活動内容も伝えやすいので」と持参を勧めておられました。そして、名刺。さわやかにさっと出せるよう練習もされたとか。「でも、もしも忘れてしまったら、顔が名詞です」と笑顔で仰っておられました。(さすが!) また、必ず持参する講座案内のパンフレットや『絵本フォーラム』紙などに加えて、ご自身のPR用の印刷物も披露してくださいました。
講座が実現したら、講座の前には「養成講座」のテキストを必ず読み返されるそうです。何を伝えたいのか、その柱をしっかりと確認するためと、テキストには話したいことがわかりやすい言葉できちんと書いてあるからとのこと。本当にその通りですね。また講座後も、講座をさせていただいたところには時候の挨拶などを出し、最新の活動内容なども添えておく、担当の方とのつながりを持っておく、とのことでした。大西さんらしい、バイタリティと細やかな心遣いあふれるお話に、私もさっそく大いに参考にさせていただきたい、と思ったことでした。会場の皆さまも思いは同じだったようで、事務局で用意して来られた『絵本講座の出前いたします』のチラシはこの後足りなくなり、追加に走ってくださいました。

その後は、「支部紹介」。「枚方・交野・寝屋川」「明石」「南大阪」「西宮・芦屋」の各支部から近況と、支部として地域で集まって話し合う機会をもったり、情報を共有できたりするよさなどが報告されました。「東京地区」「関門」「福岡」「池田」のほか、新たな支部立ち上げのお話もあり、森理事長の挨拶にあった「街を歩けば絵本講師に出会える」そんな街が全国に増えつつある! と、活動の広がりを感じました。
「自己紹介」では、約70人の全員にマイクが回ります。「一人1分として……」の言葉に時計を振り返ると、ちょうど正午まであと一時間ほど。「ではまず私が、一分以内で話しますので、これくらいです」と口火を切られた池田さんは、お見事。絵本講師として、決められた時間を意識して伝えたいことをまとめて話す、ということはたいせつであり難しくもあります。個性ゆたかな皆さんのお話に、会場と一緒に思わず笑いを誘われたり拍手を送ったり……。そしてお一人おひとりの生活の中にそれぞれ大事な絵本があり、絵本への思いがあることをあらためて感じ、絵本のつないでくれる輪、私たちを絵本という輪で結んでくださった講師の先生方のことなど、感謝の気持ちで思い起こしたことでした。
一時間の休憩は、美味しいお弁当と、久しぶりにお会いする方との歓談にあっという間。窓の外は気持ちよく晴れ、柔らかに桜の花が舞って見えました。

午後は「絵本講師の『学習心得』について」と題して藤井勇市先生の講義がありました。
今回も、先生は原子力発電の再稼動・脱原発・瓦礫処理問題などなどの例を通して、「メディア・リテラシーとは何か」、すぐに目にふれる情報だけがすべてではないこと、自ら情報を得て、常にものごとを様ざまな角度から多面的に見て自分の考えを作っていくこと、そうして生きていくことが今こそ肝要であると説かれました。また絵本講師としても、自分の考えをしっかりもって、自分自身の言葉で語ってこそ伝えることができる。教えようということでは相手には届かない。聴いてくださる方への敬意をもって、今大事だと思っていることについて、共に考え合いたいという気持ちで臨むこと、という先生の言葉にあらためて身の引き締まる思いです。

引き続いてのグループワークでは、さっそく、講師活動への道の第一歩、具体的な質問や不安なお気持ちなどが出されていましたが、それぞれのテーブルで体験をもとにしたお話が次々と交わされていて、私が初めて参加した4年前と比べなんてたくさんの経験談が生まれたこと! もちろん成功例ばかりの「回答集」でなく、悩みや難しさも出し合いながらの交流は、メンバーの一人ひとりにとって有意義な時間となりました。

最後は舛谷裕子さん(理事・芦屋3期)の挨拶で、閉会となりました。

皆さまも、きっとこの一年はこれまでよりも何かしらの思いをもってこられたことでしょう。そして、行動を起こされた方も、そうでない方も、背筋を伸ばし、自分の一歩を踏み出すために、まず心と体を開いて大きく深く息を吸う、そんな「今日」であったのではないかと思います。

「またね」今度また、たくさんの話したいこと、聴いてもらいたいこと、尋ねたいことをもって集うその日まで……。


                     

報告・熊懐賀代(芦屋4期)



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