絵本のちから 過本の可能性

「絵本フォーラム」88号・2013.05.10

『絵本講師・養成講座』を受講して
—— たくさんの出会いと学びの一年間 ——

藤井 貴久子(芦屋会場 9期生)

 独身の頃から保育士という仕事に就いていました。職場で購入した絵本。結婚後、子どもが生まれる度に増える絵本。ふらっと立ち寄った本屋で購入した絵本……。
 部屋のあちこちに絵本があり、いつのまにか大きくなった息子から、「この辺にある絵本、なんとかしようと思わん?」とのクレーム。
 たまたま隣家を譲って頂くことになり、平屋4畳半、3畳の家を大改造。全ての部屋に本棚を作り付け『絵本のおうち』完成。
 時を同じく、神戸市内のある園長先生から「絵本講師・養成講座」のお話を頂いた。絵本が大好きで、講座名に魅かれたものの、「講座毎にリポートの提出があるんだけどね……」の一言で私の頭の中からその講座は、抹消された。
 しばらくして知人から「とよたかずひこ講演会」に参加させて頂く機会がありました。先生のお話しはとても楽しく、絵本が出来上がるまでの裏話、絵本に込められた思い等をお聞きするにつけて、益々絵本の素敵に魅了されました。
 そんな時、「絵本講師・養成講座」のパンフレットにまたしても出会ってしまいました。その講師紹介のなかに先生のお名前が……。
 もう一度、とよた先生のお話をお聞きしたい!」との思いだけで、即受講の手続きをしました。何を隠そうその時には、前回勧めて頂いたリポート付の講座だったとは、私の中では繋がっていませんでした。
 そうこうしているうちに、開講式。グループワークでは、色々な職種の方々とご縁を頂きました。保育士の仕事しか経験のない私にとって、とても新鮮なメンバーでした。これほどに絵本が様々な人に愛され、必要とされているのだと改めて感じました。
 回を重ねるにつれ、絵本に対する思いにも変化がありました。各編での講師のお話は、とても興味深く、私たち保育士にとって「知っておかなければならないこと」が続々とでてきます。
講座があった週明けには、職場で『プチ絵本講座』を行いました。講師からの受け売りです。講師の思いをどのくらい職員に伝えることができたのかはわかりません。が回を重ねるうち、そんな拙い私の研修報告をも職場のメンバーは、楽しみにしてくれるようにもなりました。
 講座があった週明けには、職場で『プチ絵本講座』を行いました。講師からの受け売りです。講師の思いをどのくらい職員に伝えることができたのかはわかりません。が回を重ねるうち、そんな拙い私の研修報告をも職場のメンバーは、楽しみにしてくれるようにもなりました。
 読み返してみると私のリポートは、「つぶやき」となっていたような気がします。講座のなかで共感できたこと、新たに感じたこと、再確認させて頂いたことを、つらつらと書いたのではないかと思います。
  そんな私のリポートにも丁寧に添削し講評まで頂いたことに感動し、次も頑張ってみよう!! と、そんな思いにしてくれる魔法がかけられ返却されてくるのも楽しみでした。
  簡単に仕上げたように書きましたが、なかなか書き始めることもできず、締切りだけが近づき……そんな苦戦の編もありました。絵本講座を膨らませるために引用したり、参考にしたりすることのできる書籍等を書くリポートだったと思います。
 長年、保育の現場に携わっていますが、振り返ってみるとなんの後ろ盾もなく、ただ、今までの経験だけで保育し、子どもや保護者・職員に無造作に関わっていたことを反省しています。
 「時間に追われる生活」を言い訳にして、書物を読むこともせず……。
 こんなことに気づいたのも、この講座でした。やみくもに読み漁るのではなく、講座で紹介された書物を読むのです。それが、私にとっての「主食の書物」でした。
 こんな風にたくさんのことを学ばせていただくことができた「養成講座」。私にとって、「講座」を語るのは1500字ではおさまりそうにありません。
 次年度、特別聴講生という素晴らしい機会を頂けたことにも感謝しています。「一緒にもう一度学ぶことができる!! 」と応援してくれる職員にも重ねて感謝です。
 是非、この素晴らしい講座を1人でも多くの方に受講してほしい。そう思ってパンフレットをあちこちでチラつかせている私です。(ふじい・きくこ)
 


前へ ★ 次へ