先日、ご近所のＴさん宅で愚痴をこぼした帰りのこと。
「はい、これ。おもしろいわよ。」と２冊の絵本を貸してくださいました。最近友達関係にストレスをためる長男と、おふざけ大好き次男に、自己主張の強くなった三男も加わり、連日繰り広げられる激しい喧嘩にほとほと手を焼く私。
　 そんな我家（私の子育て？）の惨状に、静かに耳を傾けてくださったＴさんは、３人の子育てを終えた現在も保育ママとして子ども達を預かり、育児サークルを主催し、親達の悩みを聞くよろず相談引受人のような方です。　　
　そして、みんなが集まるお家の一室には、様々な本が所狭しと並び、もちろん絵本も数百（数千？）冊！ 私に手渡された絵本は、『たけし』と『ケンカオニ』。いずれも兄弟や友達同士が激しいバトルを繰り広げるも最後はいつの間にか仲直り。早速我家で読み聞かせると、長男はニヤッと笑って去って行き、三男ウロチョロ駆け回り、次男にもっと読んでとせがまれて、何度も何度も読むうちに、何だかとても可笑らしくなって肩の力が抜けていきました。そして数ある絵本の中から一瞬にしてこれらの絵本を選び出した彼女の心の本棚に、ため息がこぼれました。
　「見えないよー」「ここは僕の席！」「こっちの絵本が先！」読み聞かせ時も小競り合いの相変わらずの日々ですが、いつかＴさんのような心の本棚を持つオバサンを目指し、今日も楽しむぞ！ 読み聞かせ、です。（さとう・ひろみ）