おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第78号(2011.09.10)









『フーくんのおへそ』
  ラモン・アラグエス / 文 フランチェスカ・ケッサ / 絵 宇野和美 / 訳 光村教育図書

 フーくんがお父さんとお風呂に入っていておへそに指が入りました。フーくんがどうしておへそがあるのかお父さんに聞くと、お父さんは朝にねじを巻くためだと言いました。おねえちゃんはのぞきあなだと言いました。ママは生まれてくる前にママとつながって栄養をもらっていたくだがあったためと教えてくれました。フーくんの素朴な疑問に家族がユーモラスに対応する様子が表情豊かな人々の絵で表現されています。


『きたかぜとたいよう』 
蜂飼耳 / 文 山福朱実 / 絵 岩崎書店

 太陽と北風がどちらが強いかを競って男の服を脱がせる競争をするイソップの「きたかぜとたいよう」の絵本化。北風がマントを脱がそうと一所懸命風を吹く様子、太陽がぎらぎらと照って男が服を脱ぎ、開放的になって川へ飛び込む様子が大胆な構図の版画でユーモラスに表現されています。ことばも無駄がなく、わかりやすい表現になっています。









『あさがお』
  荒井真紀 / 文・絵 金の星社

 あさがおの種をまいてから、ふた葉が出て本葉が出てつるが伸び、つぼみができて花が咲く様子、花がしぼんで種ができる様子、種の中の様子までが写実的な絵で描かれた観察絵本。つるが伸びて行く様子は見開きを縦に使って空へ伸びる様子を表現し、一株の朝顔から取れる200個以上の種や、朝顔が咲き乱れる様子や、枯れて種ができる株の様子を画面一面に描いており、絵の美しさから自然の持つ不思議が感じられます。


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