私の絵本体験記

「絵本フォーラム」72号(2010年09.10)より
「反抗期にも絵本は頼れる存在 」
 大江祐子さん (京都府京都市)


 小学生二人の母である私は、一日中子ども達を追い立てる毎日を送っています。「さあ、もう寝る時間。電気を消すよ」と、その前にやっぱり絵本を読まなくちゃ。だって今日はちょっと怒りすぎたもんね。本当は、君達が悪いわけじゃないことにも、ちょっとイライラしちゃったね。なかなか「ゴメンね」が言えないから、そんな時は罪ほろぼしに二冊。とっくに寝る時間が過ぎている時は、学年よりも小さい子向けの短いのを。不思議に、懐かしそうに聞いてくれます。何回も何回も読んでおぼえるくらいになっているはずなのに。

この時間だけは、せかされることも、試されることもないんだよ。だって読んでいるのが、普段は口うるさいお母さんだからね。安心して、物語の世界に行っておいで。絵本を読み終わると、素直に眠りに入ってくれます。少し長いお話の時は、「続きは明日のお楽しみ〜!」予告編をちょっとだけ話しながら、電気を消したら「はい、おやすみなさい」

もうすぐ上の子は反抗期。絵本好きの集まるサークルの先輩ママ達は、口を揃えて教えてくれました。「反抗期にも、絵本って効くわよ〜」「照れくさくって、面と向かって言えないけど、伝えないといけない大切なことは、みんな絵本におまかせよ!」「小さい頃から、あんなにたくさん読んできたんだもの大丈夫。きっと伝わっているはずよ」そうだったのか。絵本ってまだまだ頼れる存在なのですね。我が家でも、とうぶん絵本のお世話になりそうです。(おおえ・ゆうこ)

前へ次へ