おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第65号(2009.07.10)








『むこう岸には』
マルタ・カラスコ/作、宇野和美/訳、ほるぷ出版

 川の両岸に住む肌の色や着る服が違う女の子と男の子が友だちになる話。女の子は大人たちから向こう岸の人の悪口を聞かされていたが、向こう岸で手を振る男の子がボートを差し向けてくれ、それに乗って男の子の家族と出会い、違っていることも多いが共通点も多いことに気づく。そして、将来二人で橋を作ることを夢見る。チリの絵本作家による温かく素朴な色遣いが魅力的な絵本。(税込価格 1365円)


『きんぎょ』
ユ・テウン/作、木坂涼/訳、セーラー出版

 ジェジェは金魚を連れておじいさんの働く森の奧の古い図書館へ行った。少し眠って目が覚めると金魚がいなくなっていた。そこで、ジェジェが本棚の間を捜すと、金魚は赤い本の中に消えてしまった。赤い本を取り出して開いてみると、大勢の金魚が出てきたが、ジェジェの金魚はまだ本の中。ジェジェも本の中に吸い込まれ、金魚を捕まえて本の外に飛び出す。韓国の作家による不思議な版画絵本。金魚の赤い色が美しい。(税込価格 1575円)









『ソフィー ちいさなレタスのはなし』
イリヤ・グリーン/作、ときありえ/訳、講談社

4人の子どもが一番年上のオルガのポケットに入っていたレタスの種を1粒ずつ植えた。ところが、一番年下のソフィーの種だけが芽を出さない。ソフィーは「うそレタス」を作って、ガブリエルのレタスと植え替えた。ところが、オルガとアナに見破られてしまう。オルガがレタスを元に戻そうとソフィのところの土を掘ると土の中からニンジンが出てきた。フランスの作家が個性豊かな子どもたちを描いた絵本。 (税込価格1260円)


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