リレー

楽しくて素晴らしい親子のひととき
(宮崎・日南市立図書館・井上 恵 )


 
 私の勤める図書館では、毎月3ヶ月児を対象にしたブックスタートと、6ヶ月児にそのフォローとなる絵本の読み聞かせとふれあい遊びの紹介を個別におこなっています。

 先日、他の公共図書館に勤務する司書の方と「ブックスタートはやっぱり凄い。ブックスタートに興味を持つお母さんとそうでないお母さんとでは、赤ちゃんに違いが出る」という話になりました。

 ブックスタート時に、家で読み聞かせをしているかと尋ねると、「うちの子は生まれたばっかりだし、読み聞かせなんて、絵本なんてまだまだ」と大半のお母さんは笑って答えます。ですが実際に目の前で『いない いない ばあ』(松谷みよ子あかちゃんの本、瀬川康男/え、童心社)の読み聞かせをすると、赤ちゃんが反応を返す姿を見て、絵本の読み聞かせに興味・関心を示してくれるお母さんもいます。そんなお母さんは必ずと言って良いほど図書館のヘビーユーザーになります。毎回たくさんの絵本を借りて行き、毎日お家で読み聞かせをしているのだろう親子がうかがえます。

 そして6ヶ月のブックスタートフォローで再会すると、赤ちゃんの表情や、手足での表現が明らかに豊かになっているのを感じますし、赤ちゃんを抱くお母さんの顔も輝いて見えます。そんな親子を見るとこちらも嬉しくなって「ブックスタートをやっていて良かった。来月も頑張ろう」と元気を貰います。

 これからも絵本の読み聞かせで得られる〈楽しくて素晴らしい親子のひととき〉の、きっかけ作りのお手伝いが出来ればと思います。(宮崎・日南市立図書館/いのうえ・めぐみ)

絵本フォーラム62号(2009年03.10)より

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