新しい年が始まりました。願わくば家族みんなが笑顔で過ごせる時間をたくさん持てたらいいですね。
私が親になって今年で 13年になります。気がつけば長男12歳、次男10歳。夜寝る前の定番だった読み聞かせも次男が“つ”のつく年(九つ)を卒業したと同時期にしぜんとなくなり、今ではたまに読む程度になりました。今までお世話になった絵本が思い出を抱えこんで本棚にずらっと並んでいます。絵本の数だけ思い出もあって、家の中でなくてはならない存在として堂々といばっています。
今でも思い出話の中に絵本は度々登場します。数ある絵本の中でトップ3に入るくらい読まされた思い出深い絵本に『もりたろうさんのじどうしゃ』(おおいしまこと/さく、きただたくし/え、ポプラ社)があります。もりたろうさんというおじいさんが郵便配達の仕事を定年退職した後、自動車免許を取りボロ車を買います。そして自分で手入れした愛車に乗り息子夫婦のところへ出かけていき……というお話です。道徳的なことは感じず、もりたろうさんが生き生きと暮らす日常生活が続くお話です。
車好きだったからでしょうか。もりたろうさんの人柄でしょうか。手によく馴染んでいました。のどかな空気の中で流れていくこの物語が好きです。何か成長の糧になどと気負わず読める一冊でした。そんな一冊に出会え、子どもたちと楽しかった時間を過ごし、一緒に思い出しては笑顔になれる大切な一冊です。もしかしたらこの絵本は子どもたちよりも、私に必要な絵本だったのかもしれません。
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