「生まれてきてくれてありがとう!」と思ったその言葉に偽りはなく、でも理想の子育てには遠く、思うようにいかず落ち込んだりイライラすることも…。 “子育てはこうあるべきだ”的な助言も多いですが、親も子も家族も、性格や環境、能力などが違い、いつも素直に受け入れられるとは限りませんよね。
タイトルは衝撃的でしたが、監修者にひかれて『子どもを愛せなくなる母親の心がわかる本』(監修/大日向雅美、講談社)を取寄せてみました。
ストレスを自分で消化したり、周囲の力を借りながら子育てをする糸口、周りに求められる理解などが端的にまとめられていて、誰しもどこかで頷けそうな、実践的で目を通しやすい内容でした。
私自身、育児スタート時に周りに知り合いはなく、夫も早朝から深夜まで不在の日々で「今日、日本語話したかな?」とか、虐待のニュースを見るたび「もしや一、二歩手前?」などとドキッとしたことや、仕事も育児もいっぱいいっぱいの時もありました。
そんな時、周りのちょっとした言葉に救われたり、ファミリー・サポート事業でペアになった家庭のおかげで心身ともに復活したり……。今も凸凹子育ては続きます。
親の元気は、子どもの笑顔につながります。しんどい時は、絵本はもちろん身近なモノや人、支援制度などの助けも借りながら、少しずつ自分の心に優しさを灯せたら、自然と子どもにも寄り添えるはず……。
日々成長する子どもを見ながら、そんなことをお伝えしたくなった新緑の季節です。
(たかなし・かずこ) |