私の絵本体験記
「絵本フォーラム」51号(2007年03.10)より
「子どもの笑顔で幸せをもらって」
金川あか峰さん(香川県高松市)

 私が娘の芽生と絵本を始めてから約3カ月がたちました。今回絵本を始めて、私の中で二つの大きな発見がありました。一つは、「育休中の今、家事も育児もと、すべてを完璧にしなくてもいいんだ」ということ、そしてもう一つは、「楽しめばいいんだ」ということ。

  私がほるぷフォーラムの絵本たちと出会ったのは、30年近く前。両親は私が小さいときからほるぷフォーラムの絵本を始めてくれており、物心がついたときには自然に絵本が周りにありました。私は3人姉妹の長女で、私たち姉妹は両親がそろえてくれた絵本に囲まれて育ちました。一緒に絵本を読んでもらったり、時には私が妹たちに読んであげたり。その楽しい思い出が心に残っていたこともあり、自分の子どもにもぜひ絵本をと思っていた私は、娘が4カ月を過ぎたころから「めだかコース」を始めました。

  絵本が届き、わくわくしながら箱を開けると、『ねないこだれだ』や『はらぺこあおむし』など、私が小さいころ大好きだった絵本がいっぱい! この本、まだあったんだという懐かしい気持ちとうれしさでいっぱいになりました。でも、早速娘にも読んであげようと張り切って絵本を手にしたとき、どうやって読んだらいいのかなぁ、感情をたっぷり入れたほうがいいのかなぁなど、次々とささいな疑問が湧いてきました。そんなとき、ほるぷフォーラム理事長の森さんから、「難しく考えなくてもいいんですよ。お子さんと一緒に楽しめばいいんです」と言っていただきました。その言葉を聞いたとき、私は目からうろこが落ちた思いでした。

  思えば、知育なんてとんでもない、のびのびと育ってほしいと思っていた私ですが、自分でも気づかないうちに、私の中に「絵本で知育を」という意識が生まれていたのだと思います。そして、育児だけでなく、家事や自分自身のことも含めて、「あれもしなきゃ」「これもしたい」と、変に頑張っていたのだと思います。森さんの言葉を聞いて、「そうか、深く考えずに楽しめばいいんだ!」と気づいた瞬間、肩の力がフッと抜けて、心から「芽生ちゃん、かわいい!」と思えるようになりました。

  私と娘の絵本タイムは、私の大好きな『いない いない ばあ』から始まります。「ばあ」とページをめくると、ニタッと笑う娘。その姿を見ていると、私までうれしくなってきて、本当に幸せだなぁと思います。4月から職場に復帰する私にとって、娘と1日じゅう一緒にいられる時間はあとわずか。その限られた時間を大切に、何より楽しんで過ごしていきたいです。

前へ次へ