「絵本フォーラム」第50号(2007.01.10) |
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『おとうさんの庭』 (ポール・フライシュマン/作、バグラム・イバトゥリーン/絵、藤本朝巳/訳、岩波書店) 日照が続き、農場を手放し、生垣を農場の動物の形に刈って心を慰めていた三人息子の父親が、子どもたちが自立するにあたって家の前の生垣に将来の仕事を教えてもらうように言う。長男は生垣を馬車の形に刈って御者に、次男は帆船の形に刈って船乗りに、三男はおどる人達を刈ってバイオリンひきになる。アメリカ開拓時代の雰囲気あふれる作品。 |
『ハンタイおばけ』 (トム・マックレイ/作、エレナ・オドリオゾーラ/絵、青山南/訳、光村教育図書) ネイトが朝起きると、天井にハンタイおばけが立っていて、朝ねぼうをさせたり、ミルクをこぼさせたり、絵の具で教室中を汚させたり、ネイトが言う反対のことばかりをして邪魔をする。そこで、ネイトは意図する反対のことを言っておばけを消すのに成功する。反抗心が頭をもたげる子どもの心理がユーモラスに描かれている。 |
『ギャバンじいさん』 (舟崎克彦/作、井上洋介/絵、 パロル舎) 吹雪のために猟に行けず、家にこもっているギャバンじいさんの元へ、ウサギ、キツネ、クマが次々と避難して来る。毛皮が手に入ると喜んでいると、もう一人のギャバンじいさんが出てきて、「狩人というのは野山を駆け回って獲物をとるのが仕事ではないか。」と諭す。井上洋介の絵がよむ者を深い物語世界へ誘ってくれる。 |