「絵本フォーラム」第49号(2006.11.10) |
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『びくびくビリー』 (アンソニー・ブラウン/作、灰島かり/訳、 評論社) 帽子や雨や巨大な鳥に襲われることを心配して、いつもびくびくしているビリーは、両親に慰めてもらっても安心して眠ることができない。おばあちゃんに気持ちを打ち明けると、おばあちゃんは「しんぱいひきうけにんぎょう」をくれた。ビリーが不安な気持ちから明るい気持ちになる変化が色と構図で巧みに表現されている。 |
『ねむいねむいおはなし』 (ユリ・シュルヴィッツ/作、さくまゆみこ/訳、 あすなろ書房) ねむいねむい夜が来て月も家もテーブルも椅子も猫も男の子も眠っていた。すると、窓から楽しい調べが聞こえてきて、椅子がカタコト、食器棚のお皿たちも踊りだし、時計のカッコウ鳥も男の子も目をさました。音楽が止むとまた、みんな眠りに落ちていく。家の中のさまざまな物が夜中に音楽に乗って踊りだす様子が楽しい。 |
『とうさんはタツノオトシゴ』 (エリック・カール/作、さのようこ/訳、偕成社) タツノオトシゴのメスがオスのおなかのポケットに卵を産み付けた。オスは卵を抱いたまま、海の中を泳ぐ。途中で、海草やサンゴなどのかげにミノカサゴなどの危険な魚が隠れているが、気づかず、ついに卵をかえす。海草などが透明のシートに描かれ、色の魔術師エリック・カールによるカラフルな海の世界が楽しめる。 |