私の絵本体験記
「絵本フォーラム」46号(2006年05.10)より
わが子の言葉に癒されて…
小田 裕子さん(兵庫県西宮市)

写真  絵本と出会って、はや4年目になりました。森ゆり子先生の絵本講座を何回か聞かせていただき、絵本の大切さを学ぶことができました。最初は読み聞かせをしていても、子どもに対して一方通行ばかりで、本当にこのままでも大丈夫なのかと不安な時期もありました。
 しかし、息子がおしゃべりできるようになったころから、絵本の好きな文を言ってみせたり、私が間違えてページを抜かすと、「違う!」と抜かしたページを戻したりと、いろいろな変化が見え始めました。
 特に印象に残っているのは、旅行で飛行機に乗ったとき、外は雨が降っており、窓にかかる雨を見て、「飛行機さん、泣いているね」と話したときのことです。私が既に忘れてしまった感覚をよみがえらせてくれるかのように、温かくさせてくれる表現を話すのを聞いて、絵本のすごさを感じました。
 絵本は大人に対しても魅力があります。疲れてイライラしていても、絵本を読み終えた後は不思議と気持ちが落ち着き、温かくなることができます。息子にいいと思い買い与えた絵本ですが、彼が休む暇もなく次々と持ってくる本を見て、正直、嫌になるときもあります。しかし、絵本によってどんどんすばらしい結果が出てくるのを見ていると、もっと絵本を吸収して情緒豊かな子どもになってほしいと願います。
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