私の絵本体験記

「絵本フォーラム」129号(2020年03.10)より

子どもと共に楽しむ絵本

 幸崎 千恵(埼玉県)

子どもと共に楽しむ絵本 昨年、4歳になる息子が入園し子育てにも少し余裕が見えてきました。出産後は毎日息子と一緒に何をして過ごそうかと悩む日々でした。家事をしながら一人で子どもの相手をするのは思った以上に大変なことでした。そんな中、腰を据えて子どもと共に絵本を読む時間はほっと一息つける心地よい時間でした。

  思い出深い絵本は『おつきさまこんばんは』(林明子/さく、福音館書店)です。毎晩窓から顔を出しておつきさまを見つけては「こ〜んば〜んは〜!」とごあいさつ。おつきさまに話しかける姿にくすっと笑みがこぼれます。

  もう一冊は『クマくんのはちみつぶんぶんケーキ』(柳生まち子/さく、福音館書店)です。食べることが大好きな息子。家でオーブン料理をする際に、絵本の中のクマくんのように何度も何度も覗きこんだり、でんぐりがえしをしたり、側で絵本を読んで待っていたりと。お腹が空いたけれど〝出来上がりを待つ〟こともちょっぴり上手になってきました。

  子どもにとって絵本の中の世界と実生活は深く結びついているそうです。子どもは絵本の中にスッと入っていき、想像力を駆使し主人公になりきって物語の世界を楽しむことができます。絵本には無限のチカラが秘められているのではと感じます。読み聞かせの時間を大切にし、子どもと共に絵本の楽しさをたくさん味わっていきたいと思います。
(こうざき・ちえ)

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