おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第113号
(2017.07.10)









あめがふるふる

あめがふるふる』 
田島征三/作
/フレーベル館

 雨の日、ネノくんとキフちゃんが留守番をしていると、カエルや、たくさんのかたつむりが会いにきました。それから二人は林の木たちや畑の野菜たちと踊ったり、溺れそうになったバッタやけものたちを笹船を作って助けたりして、かあさんの帰りを待ちます。「ふるふるふるふるふる…」という音で雨の降る音が聞こえてくるような作品。雨によって植物や生き物の命がいきいきする様子がエネルギッシュな筆遣いで表現されています。
(税込価格1,512円


イードのおくりもの

イードのおくりもの』 
ファウズィア・ギラニ・ウィリアムズ/文
プロイティ・ロイ/絵 前田君江/訳
光村教育図書

 イスラム教のラマダンのおわりを祝う祭りイードのために、くつやさんのイスマトは母、妻、娘にプレゼントを買い、ついでに自分のズボンも買います。けれどズボンは長すぎたので、母、妻、娘に短くして欲しいと頼みましたが、みんなに断られてしまいました。そこで、自分で短くしましたが、その後、母、妻、娘もズボンを短くしました。お祭りの家族の心の交流が暖かい色遣いと素朴な線で描かれています。
(税込価格1,404円









キツネとねがいごと

キツネとねがいごと』 
カトリーン・シェーラー/作 松永美穂/訳 西村書店東京出版編集部

 年老いたキツネがやっとのことで小さなイタチを捕まえます。そのイタチは、食べないでくれたら永遠に続く魔法をかけると言います。キツネは「うちのリンゴの木にのぼったり、とまったりしたやつが、みんなそこにくっついてしまうといいな」と言いました。そこで、キツネはリンゴを自分のものにすることができ、死神をもリンゴの木にくっつけてしばらくは幸せな日を過ごします。年老いたキツネの豊かな表情が印象的な絵本。
(税込価格1,620円


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