私の絵本体験記

「絵本フォーラム」111号(2017年03.10)より

「絵本がもたらすかけがえのないもの」

久永 麻衣 (兵庫県西宮市)

絵本がもたらすかけがいのないもの 私には13歳、10歳、7歳の三人の娘がいます。長女が2歳の時から本格的に絵本の読み聞かせを始め、親子で深く楽しい時間を沢山過ごしてきました。絵本に出てくる「会話ごっこ」や、私には想像もつかない娘たちの素敵な言葉の数々。私たち親子には絵本はなくてはならない大切な存在であり、日常の中に絵本があふれているそんな毎日でした。

 読めば読むほどに絵本が好きになり、親子で一緒に楽しめて共感できるのはなんて幸せなことでしょう。絵本を母親の私の声で語り、その声を通し子どもが感じ取っていく。かけがえのないことですね。

 長女が一年生(7歳)の時、自由帳に書いた詩を見せてくれました。詩には娘の中にある世界や想いがつまっていました。私は胸がいっぱいになり、「素敵な詩だね」と言うと、娘は嬉しそうに「この言葉、全部おうちにある絵本からだよ」と話してくれました。我が家には500冊強の絵本や児童書があります。子どもの感性ってすごい。子どもが言葉を食べるって本当なんだと実感した瞬間でした。

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 まどをあけて
 おひさまのひかりをあびて
 わたしの一にちをあかるくてらしてくれる
 あしたのことぜんぶ 
 おひさまのところできめる
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 私には何年たっても色あせないこの詩。幸せな思い出とともに温かくよみがえります。

 長女だけでなく、次女三女ともエピソードがまだまだあります。これは、絵本がくれた私へのご褒美なんだと思っています。今もまだ、絵本と仲良く子育て真っ只中です!

 母として子どもに絵本を読める幸せを感じながら、絵本がもたらすかけがえのないもの、その豊かさに心が温かくなる日々です。これからも子どもたちと一緒に沢山の本に出会いたいです。
(ひさなが・まい)


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