私の絵本体験記

「絵本フォーラム」106号(2016年05.10)より

絵本の魅力を伝えていきたい

会田 夏帆(神奈川県横浜市)

絵本の魅力を伝えていきたい  『木内かつの絵本あそび』(木内かつ/著、西山悦子/写真、福音館書店)をご存じだろうか。私は2年前から0〜3歳の子どもと母親向けに造形を中心とした絵本あそびを行っている。この本の帯に「絵本の世界をみんなで、もっと、楽しみたい」とある。

  絵本の世界に入って遊ぶことは、子どもだけではなく大人も楽しい。絵本あそびを行うと「子どもよりも親の私が楽しい」という感想をよくいただく。また、「子どもが気に入ったみたいで、この前の絵本買いました!」「先日遊んだ絵本、毎日読んでます」という声をよく聞く。

  「絵本講師・養成講座」の中で「バタフライ効果」という言葉を教えていただいた。私の小さな小さな羽ばたきから、確実に少しずつ絵本が広がっていることを感じている。今まで絵本を読まなかった人にも、絵本あそびを通じて絵本が届く。親子ともに、絵本という想像の世界と、自分の手で感じて作る創造の世界を行き来することが、印象に残りやすいようだ。

  大がかりなことをしなくても、絵本あそびはおうちでも簡単にできる。『おおきなかぶ』を読んだら家族でひっぱりあいの劇ごっこをしても楽しい。『だるまさんが』で親子がだるまさんの真似をするのもいいし、『おおきなおおきなおいも』を読んだら紙を何枚もつないでおいもを描くのも楽しい。絵本を読んで広がった想像の世界を親子で楽しんでほしいと思うから、私はこれからも絵本あそびを使いながら、絵本の魅力を伝えていきたい。
(あいだ・なつほ)


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